温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

那須湯本温泉 あさか荘

2021年06月18日 | 栃木県
(2020年8月訪問)


前回記事に引き続き栃木県那須エリアの温泉を巡ります。
前回記事の大丸温泉から山を下り、いつも観光客でにぎわう那須湯本へとやってまいりました。那須湯本で日帰り入浴といえば、有名なのが「鹿の湯」であり、温泉マニアだと「雲海閣」なども候補に入ってくるかと思います。この他にも当地の宿の多くで日帰り入浴を受け付けていますが、今回は見慣れない名前の「あさか荘」を訪ねて日帰り入浴することにしました。
看板の様子から推測するに、元々は別名称の旅館であり、居抜きのような形で別の経営者が買い取り、リニューアルと名前変更を経て営業を再開したものと思われます。

(帰宅後に調べたところ、以前は「千歳屋旅館」だったようです。2020年4月に現在の形でオープンしたんだとか。鹿の湯付近にある「民宿アサカ荘」のご家族が経営なさっているそうです。)


日帰り入浴をお願いすべく、玄関に入り帳場で声を掛けたところ、東南アジア系と思しき恰幅の良い元気なおばちゃんが現れ、明るく愛想よく対応してくださり、小さなバスケットに収められた日帰り入浴用のドライヤーと柔軟剤の香りを強く放つ貸タオルを渡してくれました。ドライヤーをその都度貸し出すのは、お風呂の近くに置いておくと部品が硫化してすぐ使い物にならなくなるための措置かと思いますが、入浴料500円なのにタオルを貸してくださるとは実にありがたい。上述のように当地では多くの宿で日帰り入浴を受け入れているので、こうした小さな心配りにより差別化を図っているのでしょうね。うれしいサービスです。
そして、おそらくあのおばちゃんは新しい女将なのでしょう。短い時間でしたが、おばちゃんの溌溂とした姿に接していると、こちらの気分まで自然と明るくなりました。


さて玄関から通路を進み、階段を下ると、紅と紺の暖簾がさがっていました。男女の暖簾が入口に提げられている光景は、どの温泉宿でも見られますが・・・


「ドアを締めてください(ママ)」という文言とともにタイ語表記の注意書きまで書かれていました。全国に星の数ほど存在する温泉宿のうち、手書きのタイ語表記が見られる施設は、果たしてどれだけあるでしょうか。ということは、あの元気なおばちゃんはタイの方なのでしょうね。


ウッディな雰囲気の中に硫黄の湯の香が漂う男湯は、裏路地に面しており、正面と左側に窓が設けられているため明るく快適です。


洗い場にはシャワー付き混合水栓が2基並んでいるほか、浴槽へ加水できる水道の蛇口も1つ設けられています。


那須湯本の白濁湯が張られた浴槽はタイル張りで、4人サイズといったところ。


木組みの湯口は硫黄で真っ白に染まっています。湯口の傍には硫化水素対策のため、換気扇が取り付けられていますね。
私が訪問した時には館内に分析表が掲示されていなかったのですが、ネット上に残る「千歳屋旅館」時代の記事等を検索してみますと、「鹿の湯・行人の湯 混合源泉」が引かれていたそうですから、おそらく現在も同様でしょう。

青白く濁るお湯の中には細かな黄色い湯の花も浮遊しており、湯面からはツンと鼻孔を刺激する硫黄臭が放たれています。湯口のお湯は熱いため、投入量はやや絞り気味です。それでも湯船のお湯は若干熱めなので、私は短いスパンで入ったり出たりを繰り返しました。心身がシャキット引き締まる良いお湯です。


窓を開けると、直下に引き湯をストックする槽(上画像で木の蓋で覆われた部分)が設けられていました。源泉から供給されてきた温泉は、一旦ここに溜められてから浴槽へ流下してゆくわけですが、元々の温度が高いため、湯口においても高温が保たれているようです。


窓の目の前に見えるのは「滝の湯共同浴場」ですね。以前拙ブログでも取り上げたことのある共同浴場で、地元組合員の他、那須湯本の旅館宿泊客も利用することができますので、ご興味がおありでしたら、当地での宿泊をおすすめします。

こちらのお宿はリーズナブルに宿泊できるようですから、那須湯本のお湯に浸かりながら気軽に宿泊したい場合には重宝しそうですね。コロナ禍でどこも厳しい状況が続いていますが、こうして閉業したお宿が復活して再びお客さんを迎え入れてくれると、実に嬉しいものです。頑張っていただきたいですね。

分析表掲示無し

栃木県那須郡那須町湯本
0287-76-2440

日帰り入浴8:00~20:00?
500円
シャンプー類・ドライヤー貸出あり

私の好み:★★+0.5
コメント (2)
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