先ほどの確信は撤回しなければならない。
この鬼女どもは、やはり喪服が黒いだけでなく中身まで黒かった。私は彼女たちによって虫けらのように殺されたのだ。もちろん自殺であるはずがない。当人が自殺を図った記憶をまるで持たないのだから、そこに異論の余地はない。私は農薬を撒かれる雑草のように、いとも簡単に薬を盛られたのだ。自由の権利、平等の権利、それら近代の夢物語はすべからく絵空事で空虚なものだとしても、生きる権利、これだけは少なくとも、同じ種の仲間に対しては公然と認めて然るべき何かだと思っていた。その何かを風前の灯等しく悪意の一息で吹き消された!
いやesse is percipi.すべては観念の産物である。存在も然り、存在の権利も然り。理想を語るのはよそう。生きる権利など存在しない。すべからく権利の空虚たるに例外などない。私は哲学の教授である以上、権利についてもちとは勉強したが、関連書物を紐解けば紐解くほど、いい加減な概念だという感想だけが残った。生きることは所詮luckyなこと。死ぬことほどそれは当然ではない。ただしばらく死が猶予されているだけのこと。人は生まれたときからつねに誰かに殺される危険と隣り合わせの中で、多くの者は辛うじて、殺されることなく、自ら招いた怪我や病気で死んでいく。死に方が偶然なる者は幸いである。私は私を殺そうとする者がいたばかりに必然に殺された。だがどうして、とここで疑問を差し挟むのは人情として許されよう。どうして、それが最も身近なる妻でなければならなかったのだ?
(つづく)
この鬼女どもは、やはり喪服が黒いだけでなく中身まで黒かった。私は彼女たちによって虫けらのように殺されたのだ。もちろん自殺であるはずがない。当人が自殺を図った記憶をまるで持たないのだから、そこに異論の余地はない。私は農薬を撒かれる雑草のように、いとも簡単に薬を盛られたのだ。自由の権利、平等の権利、それら近代の夢物語はすべからく絵空事で空虚なものだとしても、生きる権利、これだけは少なくとも、同じ種の仲間に対しては公然と認めて然るべき何かだと思っていた。その何かを風前の灯等しく悪意の一息で吹き消された!
いやesse is percipi.すべては観念の産物である。存在も然り、存在の権利も然り。理想を語るのはよそう。生きる権利など存在しない。すべからく権利の空虚たるに例外などない。私は哲学の教授である以上、権利についてもちとは勉強したが、関連書物を紐解けば紐解くほど、いい加減な概念だという感想だけが残った。生きることは所詮luckyなこと。死ぬことほどそれは当然ではない。ただしばらく死が猶予されているだけのこと。人は生まれたときからつねに誰かに殺される危険と隣り合わせの中で、多くの者は辛うじて、殺されることなく、自ら招いた怪我や病気で死んでいく。死に方が偶然なる者は幸いである。私は私を殺そうとする者がいたばかりに必然に殺された。だがどうして、とここで疑問を差し挟むのは人情として許されよう。どうして、それが最も身近なる妻でなければならなかったのだ?
(つづく)
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