11月28日、一関市東山町長坂字東本町の農家の前庭で大きな掌状の葉をつけ茎や葉柄が赤くてよく目立つ「トウゴマ(唐胡麻)別名:ヒマ(蓖麻)」を見つけました。大きな葉は霜にやられてしおれていましたが、花と実がついていました。
トウゴマ(唐胡麻)トウダイグサ科 トウゴマ属 Ricinus communis L.
英名:Castor bean
草丈は2mほどになり、直径30~40cmほどもある大きな葉をつける。5~11に深裂し鋸葉があるが、葉柄は葉の中央につく。ベニヒマでは新芽は赤く、成葉は葉脈の部分が赤い。
長さ約20cmの直立した総状花序を付け、雌花が上側に集まって付き、雄花は下側に付くことが多い。赤い果実は褐色に熟し、3つに割れ、中に長さ1cmほどの種子が入っている(種子は有毒)。種子の表面は暗褐色の地に金色の文様があり美しい。
トウゴマは熱帯東部アフリカとインドが原産であるが、日本には中国経由で渡来したものと考えられている。1属1種で漢名は「蓖麻(ひま)」日本では大型の1年草とされているが、原産地では常緑で3mほどにもなるといわれ、その植生や形態は個体によって大きく変化し、あるものは多年草で小さな木になるが、あるものは非常に小さく1年草であり、葉の形や色、実の色も多様だという。
種子から採れる油はひまし油(蓖麻子油)と呼ばれ、強力な下剤として医療に用いられてきた。(種子にはリシン(ricin)という毒タンパク質があるので注意が必要)
またヒマシ油は低温でも固まりにくいことから高高度を飛行する航空機の潤滑油としても利用され、第二次世界大戦前後では大量に栽培されたとのこと。印刷インキなどにも使われるという。
当時の品種は花が緑色のものであるが、現在栽培されているものは花や若芽が赤い「ベニヒマ(アカトウゴマ)」である。生け花の花材として利用されるが、時折河原などに野生化したものが見られると言う。