2010年4月18日(日)、北上市にある珊瑚岳(標高259.5m)に登りました。国見山の麓にある極楽寺前駐車場に車を置いて、1人で珊瑚岳の頂上まで行ってきました。出発点からは800mほどしかなかったのですが、飲料水も携帯電話も(忘れて)持たずに行ったので、駐車場で待っていた妻に叱られてしまいました。「新奥の細道」と書かれた標柱が建つ遊歩道のすぐそばに、自生のシュンラン(春蘭)が花を咲かせていました。
(上)珊瑚岳:標高259.5mと、国見山塊(かい)では最も高い山です。名前については、もと金峰山(きんぽうさん)と呼ばれていましたが、国土地理院が誤って山王岳(さんのうだけ・平和大観音の北側の山)と記し、後に当字(あてじ)して珊瑚岳となりました。金峰山はキンプセンとも呼ばれ、奈良県吉野山から大峰山(おおみねやま)にかけての峰々の総称です。黄金(こがね)の埋蔵されている山として信奉され、金剛蔵王菩薩(蔵王権現)を主尊とする吉野系修験道の聖地です。[北上市立博物館発行「国見山周辺の自然かんさつ」より]
シュンラン(春蘭) ラン科 シュンラン(シンビジウム)属 Cymbidium goeringii
丘や低い山、野原などの比較的乾燥した林の中や森の縁などに自生している多年草。花には、後ろ側に萼片が変化した3枚の大きな花びらがある。いずれも、緑黄色を帯びている。中心には、左右から抱えるような花弁がある。これが側花弁である。中央下には白色で濃赤紫色の斑点がある唇弁があり、その上に、雄しべと雌しべが入っているずい柱がある。葉は細長くて堅く、縁にギザギザがある。葉幅は約2cm、長さ30~50cm。葉は、地下の球根[偽球茎という]から何枚も出ている。花期は3~5月。別名:ホクロ。唇弁に紫色の斑紋があり、それを体にできるホクロに見立てて名付けられたという。また、花びらを全部取ってしまうと、弓形のずい柱が残るので、その形を腰が曲がったお爺さん、お婆さんにたとえ、ジジババという名前もつけられている。分布と自生地:北海道から本州、四国、九州まで広い地域に分布している。仲間に、冬に咲くカンラン(寒蘭)Cymbidium kanran、10~11月に咲くヘツカラン(辺塚蘭)Cymbidium dayanumなどがある。