2010年5月21日(金)、一関市磐井町から桜木町に向かって歩いていたとき、民家の庭に植えられているヒラドツツジ(平戸躑躅)’花車’が、花を沢山咲かせていました。
ヒラドツツジ(平戸躑躅)’花車(はなぐるま)’ ツツジ科 ツツジ属 Hirado Azalea cv.Hanaguruma :花冠は明るい紅紫色で全裂する。江戸時代から有名。「日本の樹木」には、モチツツジの園芸種として掲載されています。
ヒラドツツジ(平戸躑躅)は、長崎県平戸地方に古くから多数植栽され、各地に広まった変異に富んだ大形のツツジの品種群の総称である。平戸は昔から海外交通の要港で、多くの植物が輸入され、ツツジも国の内外から持ち込まれた。同地が実生に適した環境であるため、自然交配と実生が繰り返され、多くの品種ができたものと思われる。その中の優れたものを選抜したのがヒラドツツジで、その形成に大きく影響したのはケラマツツジ(慶良間躑躅)R.scabrum、モチツツジ(黐躑躅/餅躑躅)R.linearifolium(=macrosepalum)、キシツツジ(岸躑躅)R.ripense、リュウキュウツツジ(琉球躑躅)と考えられる。
ヒラドツツジ(平戸躑躅)の品種には、紅紫色の’桃山’cv.Momoyama、’谷間の雪’cv.Tanimanoyuki、’銀の采’cv.Ginnosai、'紅石南’Benishakunan、’企救姫’cv.Kikuhime、’花車’cv. Hanagurumaなどがある。栽培:やや寒さに弱い品種が多い。花期:4~5月。
[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・園芸植物」&同「山渓カラー名鑑・日本の樹木」より]