2010年5月16日(日)、室根ふるさとセンター(一関市室根町折壁)で前日から開催中のむろね山野草の会(佐藤智会長、会員29人)の「春の山野草展」に行きました。会員が育てた約60種、200点の山野草が展示されていましたが、それらの中にカッコソウ(勝紅草)が2鉢ほどありました。
カッコソウ(勝紅草) サクラソウ科 サクラソウ(プリムラ)属 Primura kisoana
サクラソウ(桜草)の仲間:サクラソウ属には多くの種類があり、北半球の温帯から寒帯を中心に、マレーシア、南アメリカ、アフリカの一部を除いて、世界各地に500~600種ほどが分布している。日本にも3亜属14種ほどが分布し、いずれも美しく、山野草としても親しまれている。なかでもサクラソウは、古くから花の変異に注目されて園芸化され、「ニホンサクラソウ」の名で数多くの園芸品種が登録されている。ほかの野生種も大半の種が寒冷地を中心に苗が生産され普及している。
外国産種も、実生からの苗の栽培が容易で、いろいろな種類が流通している。特にヨーロッパからのプリムラ・オウリクラは日本のサクラソウのように園芸化され、数多くの園芸品種が育種されている。日本でも人気が高く、多くの品種は専門店で入手できる。
カッコソウ(勝紅草):は、本州(関東地方北部)のごく一部に希に生える多年草。葉は厚く広い円形。高さ10~20㎝の花茎に5~15個の輪生花をつける。別名:キソコザクラとも呼ばれるが、木曽では見つかっていない。自生のものは絶滅危惧種に指定されている。性質は少し弱いが、交配により強い種が育種されている。
四国に分布するシコクカッコソウ(四国勝紅草)は、カッコソウの変種で、全体に毛が多く、花冠の花喉部は黄色。白花の他に濃色タイプも流通・栽培されている。
カッコソウの品種: カッコソウ’小田紅’紅色が濃く現れる選別種。カッコソウ’スピカ’鮮やかな紅色が美しい。カッコソウ'日吉娘’大輪の濃色花。カッコソウ’まどか’桃色の丹精な花。
[栃の葉書房発行「育てる調べる 山野草2525種」&講談社発行「山野草大百科」(久志博信・内藤登喜夫著)より]