




2012年9月14日(金)、岩手県立花きセンター(胆沢郡金ケ崎町六原頭無2-1)に行きました。今までは花の少ない時期にでかけることが多くて、この時期にでかけることは初めてのような気がします。
本館(管理棟)内の展示室に「スプレー菊」と思われる菊の切り花が18品種ほど展示されていました。同じ色で品種が違うものがありましたが、その違いは良くわかりませんでした。
(下)これらは精興園(広島県芦品郡新市町金丸)という所で作出された品種のようです。
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/onlyonenoonezigyou/1265171153080.html [有限会社 精興園:広島県ホームページ]
http://www.seikoen-kiku.co.jp/mum/various.html [精興園のホームページ]

(下2つ)「セイ・リムー」(黄色)


(下3つ)「セイ・パレット」(白)



(下6つ)「セイ・ディープピサ」(濃ピンク&淡ピンク)






キク(菊) キク科 キク属 Chrysanthemum morifolium
日本にはキクの野生種が沢山あるが、栽培キクについては、中国から渡来したものであることに疑いはない。キクの祖先は中国の北部に自生するチョウセンノギクと、中部に自生するハイシマカンギクの交雑品から出発し、唐の時代には園芸品が存在したらしい。日本には奈良時代には伝えられたと考えられている。別名:イエギク、観賞ギク。
キクの品種改良が急速に進んだのは江戸時代で、大小さまざまなタイプのキクの品種が生まれた。栽培ギク(家ギクとも呼ばれる。)は頭花の大きさによって、大菊、中菊、小菊の3つに分けられている。
小菊は頭花の大きさが直径9㎝未満の小形のもので、庭や畑でごく普通に育てられている。よく枝分かれして沢山の花が咲くのが特性である。花形としては一重、八重、千重、丁子咲き、ポンポン咲きがあり、特異なタイプとしては伊勢菊に似た薊菊、ポンポンタイプの魚子(ななこ)菊、貝咲菊がある。
特別な栽培方法として発展したものに懸崖(けんがい)作りと盆栽作りがある。懸崖作りは枝が長く伸びてよく枝分かれする小菊を使い、枝が垂れ下がるように仕立てる。長い逆三角形にびっしりと花をつける形と、あまり形を整えないで自然な形に垂れさせた文人作りの2つがあり、一重や丁子咲きの花形が好まれる。
盆栽作りは、枝の伸びが悪い小形の一重咲きや丁子咲きの品種を使う。浅い鉢に植えて盆栽風に枝ぶりを整えた仕立て方で、マツやスギをかたどったものが多い。石につけて育て、岩山に生える老樹を形作ったり、同じ株を何年も育て続けることなども行われる。
切り花を主体とする営利栽培の場合は、畑植えや温室植えで、一年中生産されている。これに使われるのは実用菊と呼ばれる品種群で、中菊と小菊の中で、花形がまとまっていて育てやすく、荷造りや輸送がしやすいタイプが育成されてきた。
小菊の実用菊としては、最近スプレー菊が市場に多く出回っている。これは花形が単純でよく枝分かれし、手間をかけないで多くの花が咲くような系統と、その栽培を指している。キクは日が短くなると花をつける短日性の植物なので、日照時間と温度の調節によって、開花を早めたり遅らせたりして、一年中切り花生産が行われている。
特徴:秋を彩る花の代表。栽培されるキクの品種は「和ギク」と「洋ギク」に大別され、和ギクは主に切り花と観賞菊に分けられる。伝統的な観賞ギクを様々な仕立て方で育てるには専門の知識が必要だが、ポットマムなど欧米で改良された洋ギクは開花株が出回るので、誰でも手軽に楽しめる。花の大きさ、形、開花期の異なるものなど、様々な種類があるが、育てやすいのは小輪系のキク(菊)。欧米で品種改良された洋ギクや花径6㎝以下の小ギクなどがある。花色:赤、ピンク、黄、橙、緑、白、複色。花期:9~11月。用途:鉢植え、庭植え、切り花。
栽培管理:日当たりと水はけのよい場所で育てるが、毎年株分けや挿し芽をして、株を更新すると生育が良い。植え付け、株分け:3~4月。挿し芽:5月。「洋ギクは多少咲き始めたものを選び、日当たりの良い戸外で雨や強い風に当てないようにするが、開花した鉢は半日陰においた方が花もちが良い。室内で楽しむときは、戸外で日に当て開花させてから取り込む。鉢土の表面が乾いたらたっぷり水やりする。鉢花は年間を通して日当たりと風通しの良い戸外で管理する。花後に株を根元近くで切り取る。
[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑3・秋の花」&西東社発行「色・季節でひける 花の事典820種」&同「知りたい花の名前がわかる 花の事典」より]