peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

岩手県立花きセンターの花々 その48:グァバ/バンジロウ/プシジウムの果実

2005年12月29日 | Weblog

 岩手県立花きセンターの「研修温室」に、「グァバ」と書かれた植物が果実をつけていました。名札には、「グァバ Psidium guajava L. フトモモ科 原産地:熱帯中央アジアETC.」と記されていました。


グァバ/バンジロウ/プシジウムフトモモ科 プシジウム(バンジロウ)属
 Psidium guajava L.
 グァバは熱帯アメリカ原産のフトモモ科(Myrtaceae)プシジウム属(Psidium)の亜熱帯植物ですが、ペルー、ブラジル、メキシコ、アジアなど熱帯各地で広く栽培されている。日本では「バンジロウ属」とも表記し、「Psidium」は「プシデューム」とか「プシジュウム」とも書くようです。

 プシジウム属(バンジロウ属)は、熱帯・亜熱帯アメリカ、西インド諸島に約150種ほど自生しているといわれており、「グァバ」の名で知られる熱帯果樹。高さ3~5mの常緑低木または10mぐらいにもなる常緑小高木で、樹皮はサルスベリのようにすべすべしている。食用果実として栽培される品種は耐寒性が強く、摂氏5度以上あれば生育するので、日本本土の暖地でも多くの栽培されているという。

 葉は長い楕円形の単葉で対生し、花は葉腋に2~3個の白色の大輪をつける。花後に直径3~9cm、長さ4~12cmぐらいの淡緑色で球形か卵形、もしくは洋梨形(品種によって違う)の果実をつける。先端には萼がついている。果皮は熟すと淡黄色や淡紅色になるが、果肉は、白、黄、ピンク、赤色と品種により様々で、味も甘いものから酸味が強いものまである。そして果実の中には直径5mm程度の堅い種子が多く含まれている。果実はジャムやジュースにされるが、熟した果実は芳香が強く、甘酸っぱいトロピカルな香りがするという。沖縄では年中果実が採取されるが、一番収穫量が多いのは8~9月とか。
 
 古代インカの人々は、グァバを「聖なる木」として栽培していたが、16世紀初頭にスペイン人の侵略によりヨーロッパに渡り、そこから世界中に広がったとされている。沖縄には18世紀初頭に伝来したという。

 グァバの果実や茎、根、葉は、古くから日本の沖縄県や台湾などでは糖尿病、下痢、歯痛、口内炎、胃潰瘍などに効果があるとされて用いられてきたといい「バンジロウ」とか「バンザクロ」「バンセキリュウ」「バンシルー」とも呼ばれているが、漢名の「蕃石榴」に由来しているようです。漢方ではグァバの果実、茎、葉などを乾燥したものを「バンセキリョウ」と呼んでいるとのこと。

 なお、下記のWebサイトには、グァバの花と果実の画像が掲載されています。

 http://www.geocities.co.jp/PowderRoom/4514/guava.html

岩手県立花きセンターの花々 その45:オンシジウム(Oncidium)

2005年12月27日 | Weblog

岩手県立花きセンターの「研修温室」の「オンシジウム Oncidium cvs.」が黄色い花を咲かせていました。

 オンシジウムは、その葉の形状から「薄葉系」・「厚葉系」・「剣葉系」・「棒状葉系」の4つのグループンに分かれるそうですが、画像の品種は最もポピュラーな「薄葉系」の品種で「アロハ・イワナガ」という名前のものだと思います。園芸品種もこのグループのものが多いそうです。



オンシジウムラン科 オンシジウム属 Oncidium
「オンシジウム(Oncidium)」は、ラン科の一属で、この仲間は300~500種もあるといわれており、主に熱帯~亜熱帯アメリカ原産。バルブ(偽鱗茎)の基部から出る花茎は細くて長く、栽培されているものの多くは数十~100cmになる。

 花は総状か円錐状につき、小形~中形で、直径1.5~5cmほど。1花茎に数~数十、多ければ数百の花が咲くという。軽やかでリズミカルな雰囲気から「ダンス・レディ」とも呼ばれる。

 花色は黄色や褐色が中心だが、単色、複色、斑入りなどもあり、花の形も様々である。最近はピンクや白、オレンジの花もあるという。乾燥には強いが過湿に弱いので、鉢植えの場合は排水と通風に配慮すること。

 花期は11~4月、その他の時期にも不定期に開花する。切花で花束やパーティの卓上の盛り花などに添えられているほか、小形の鉢花に用いられる。

 なお、下記のWebサイトには、「剣葉系ピンク」などの画像が掲載されています。

 http://yasashi.info/o_00002.htm

岩手県立花きセンターの花々 その41:シンゴニウム・ポドフィルム”ホワイト・バタフライ”

2005年12月26日 | Weblog

岩手県立花きセンターの「研修温室」には、「シンゴニウム・ポドフィルム」の観葉植物が植えてありました。「ホワイト・バタフライ」と呼ばれる品種です。「シンゴニウム・ポドフィルム」には、「ピクシー(Pixie)」とか「ロブスター」と呼ばれている品種もあるようです。また、メキシコ~中米原産の「シンゴニウム・マクロフィルム(macrophyllum)」などもある。



シンゴニウム・ポドフィルム”ホワイト・バタフライ”サトイモ科 シンゴニウム属
Syngonium Podophyllum"White Butterfly"
中央アメリカ~南アメリカ(メキシコ、パナマ)原産の非耐寒性半つる性植物。自生種は約20種あるといわれ、園芸品種も数多く見られる。ポトスと同じような感じの広めの矢じり型の葉をもち、緑色の葉は葉脈に沿って乳白色から淡黄色の斑が入る。直射日光が当ると葉焼けを起こすし、寒さには弱いので冬越しの温度は8度以上は必要とのこと。

 緑美しい葉を楽しめる、つる性の観葉植物として流通するのは幼葉の頃で、成熟した葉は、鳥足状に5~7つの裂片に切れ込み、全く異なった姿になる。但し、鉢植えで成葉が出ることはほとんどないとのこと。

 鉢植えでは、「S.podophyllum(ポドフィルム)」や「S.wendlandii(ウエンドランディ)=葉の真ん中に白い筋」が良く流通している。耐寒性はなく、冬は8度以上保てる場所での管理が必要とのこと。耐陰性はあるが、光を好む植物なので日当たりの良い場所で育てること。室内で育てる場合は、定期的な日光浴が必要。

岩手県立花きセンターの花々 その40:アブチロン・ストリアツム

2005年12月26日 | Weblog


岩手県立花きセンターの「研修温室」に緑色に淡黄色の斑点が目立つ「キフ(黄斑)アブチロン」が植えてあり、橙色の地に濃い脈が目立つ花をつけていました。
 名札には、「キフアブチロン(黄斑アブチロン) Adiantum raddianum cv."Monocolor" ワラビ科 アディアンタム属」と書かれていました。


アブチロン・ストリアツムアオイ科 アブチロン属 Abutilon striatum
アブチロン(Abutilon)の仲間は、熱帯アメリカなど熱帯から温帯にかけて100種以上原生するといわれているが、常緑低木が多い。「アブティロン」とも書く。

 アブチロンは、アオイ科(Malvaceae)のAbutilon×hybridumの交配種とのことであるが、交配親は不明とか。6~9月に咲く花の多くは赤、黄、白、赤紫などで、盆形の5弁花に脈が入り、うつ向きぎみに咲く。

 近年は、花の美しい改良された園芸品種群が導入されているので、赤、ピンク、アプリコット、黄、白、橙、紅紫、など様々な色のものがある。赤や橙色の花には濃い脈が目立つものがある。

 葉は、縁が深く切れ込んだもの、鋸歯のあるものなど多彩。また、葉に斑が入るものなどがある。「キフ(黄斑)アブチロン」は葉に淡黄色か白色の斑点があり、観葉植物としても好まれる。越冬温度は5度程度ということなので、東京以南であればよほどの寒波でもない限り戸外でも越冬できるという。

 なお、下記のWebサイトには、濃いピンクの脈が目立つアブチロンの画像が掲載されています。
 http://stewartia.net/engei/engei/Aoi_ka/Abutilon.html

岩手県立花きセンターの花々 その39:ハナキリン(花麒麟)

2005年12月26日 | Weblog




きのう(12/25)行った岩手県立花きセンターの「研修温室」に植えてあった「ハナキリン(花麒麟)」は、鮮やかな赤い花(苞)を咲かせていた。温室の温度は21度であったが、汗ばむほど暖かかった。11~3月までは午後3時で閉館とのことで、1時時間も居られなかった。




ハナキリン(花麒麟)トウダイグサ科 ユーフォルビア属 Euphorbia milli
マダガスカル原産の小低木状多肉植物。見た目は枯れた枝のようだが、実際には多くの水分を含んでいる多肉植物である。刺もある。

 花のように見えるものは苞で、色は赤、桃黄色、薄い黄緑色などがある。大きさや形態が異なる変種が多い。

 園芸上「ハナキリン(花麒麟)」と呼ばれるものは草丈2m、茎の太さは直径1~1.5cmになり、長さ1.5~2cmの刺がつく。

 花(椀状花序)は直径約1cmで、1花茎につく数が1個から2、4、8個と次第に増える。色は鮮やかな赤。花期はほぼ周年。葉は明るい緑色で少しかたく、長さ4~5cmの楕円形。近年は鉢花とされることも多い。