
岩手県立花きセンターの「研修温室」に、「グァバ」と書かれた植物が果実をつけていました。名札には、「グァバ Psidium guajava L. フトモモ科 原産地:熱帯中央アジアETC.」と記されていました。


グァバ/バンジロウ/プシジウムフトモモ科 プシジウム(バンジロウ)属
Psidium guajava L.
グァバは熱帯アメリカ原産のフトモモ科(Myrtaceae)プシジウム属(Psidium)の亜熱帯植物ですが、ペルー、ブラジル、メキシコ、アジアなど熱帯各地で広く栽培されている。日本では「バンジロウ属」とも表記し、「Psidium」は「プシデューム」とか「プシジュウム」とも書くようです。
プシジウム属(バンジロウ属)は、熱帯・亜熱帯アメリカ、西インド諸島に約150種ほど自生しているといわれており、「グァバ」の名で知られる熱帯果樹。高さ3~5mの常緑低木または10mぐらいにもなる常緑小高木で、樹皮はサルスベリのようにすべすべしている。食用果実として栽培される品種は耐寒性が強く、摂氏5度以上あれば生育するので、日本本土の暖地でも多くの栽培されているという。
葉は長い楕円形の単葉で対生し、花は葉腋に2~3個の白色の大輪をつける。花後に直径3~9cm、長さ4~12cmぐらいの淡緑色で球形か卵形、もしくは洋梨形(品種によって違う)の果実をつける。先端には萼がついている。果皮は熟すと淡黄色や淡紅色になるが、果肉は、白、黄、ピンク、赤色と品種により様々で、味も甘いものから酸味が強いものまである。そして果実の中には直径5mm程度の堅い種子が多く含まれている。果実はジャムやジュースにされるが、熟した果実は芳香が強く、甘酸っぱいトロピカルな香りがするという。沖縄では年中果実が採取されるが、一番収穫量が多いのは8~9月とか。
古代インカの人々は、グァバを「聖なる木」として栽培していたが、16世紀初頭にスペイン人の侵略によりヨーロッパに渡り、そこから世界中に広がったとされている。沖縄には18世紀初頭に伝来したという。
グァバの果実や茎、根、葉は、古くから日本の沖縄県や台湾などでは糖尿病、下痢、歯痛、口内炎、胃潰瘍などに効果があるとされて用いられてきたといい「バンジロウ」とか「バンザクロ」「バンセキリュウ」「バンシルー」とも呼ばれているが、漢名の「蕃石榴」に由来しているようです。漢方ではグァバの果実、茎、葉などを乾燥したものを「バンセキリョウ」と呼んでいるとのこと。
なお、下記のWebサイトには、グァバの花と果実の画像が掲載されています。
http://www.geocities.co.jp/PowderRoom/4514/guava.html