ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

007の2

2008年03月09日 | 映画


昨日の続き。

ショーン.コネリー以降の「007」が、今ひとつ面
白くないというのは多くの人が感じていることだと思
う。
アクションのアイデアとか、当時と比べると、以降は
あまりにいろいろ出尽くし、最早そういうものでは勝
負できないという状況の変化もあるから単純に比較
できないが、やはり、ショーン.コネリーという役者
に負っていた部分が大きいのではないかと思われる。
「軽妙で洒落た主人公しかも強い」というイメージを
追う限り、初代は超えられないのだ。

と、尤もらしく書いたが、ここで思い出した。
第一作は、「カジノ.ロワイヤル」で良いのだが、主演
は「デヴィッド.ニーブン」であった。
軽妙さを強調した笑いの多い作品で、ショーン.コネリー
とは大分イメージが違う。
しかも、シリーズの中では一番面白いと思ったものだ。
考えてみると、元々「007」そのものが好きであった
という事実も無かった。
テレビでやってると、見るときがあるという程度の関
わりだったのだ。

しかしここまできたので、新しい「007カジノ.ロワイ
ヤル」について。
主演のダニエル.クレイグという役者は、良く知らな
いが、見た目は所謂美男子ではなく、ごつい感じ。
しかし、それこそが彼の魅力であると思う。
今までに無い、孤独なイメージが新鮮である。
これだけで大分違う。
実際映画の中でも、都会的でスマートなというイメージ
では無く、むしろハードボイルド、冷徹なスパイというイ
メージである。
「ゴルゴ13」のイメージに近いかもしれない(イギリ
スでは、イアン.フレミングの原作のイメージに、一番
近いといわれているらしい)。
つまり、荒唐無稽さより、ちょっと本物っぽさを感じる
ような映画となっているのだ。
展開は、例によって、身近な裏切り者によるどんでん返
し的ものであるが、あまり無理が無い。

あと、特筆すべきはボンドガール。
エヴァ.グリーン。
この女優も知らなかったが、フランス人の、しかもか
なりの美形である。
単に、こちらが知らなかっただけで、ベルトリッチの
映画にも出ている注目株らしいのだが。
なにより驚いたのは、マルレーヌ.ジョベールの娘と
いう事実。
マルレーヌ.ジョベールといえば、言わずと知れた「雨
の訪問者」のヒロイン。
チャールズ.ブロンソンのあの映画だ。
と言っても、これでピンとくる人も少ないと思う。
映画も、当時は話題にはなったが、話題の割には大し
て面白くも無かった。
そんな映画ではあるが、マルレーヌ.ジョベールという
名前だけは深く記憶に刻まれた(何故だか分からない
が)。
その娘だったとは。
そうやって見ると、確かに、すっとした鼻の形は似てい
るかもしれない。
ハリウッド系と違ってちょっと知的に見えるのも、フラ
ンス系のなせる業か。

主役もヒロインもどちらも良い、ということで結果、「0
07カジノ.ロワイヤル」は結構楽しめる映画であった。
そういえば、ジャンカルロ.ジャンニーニなんて役者
も出ていた。


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