ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

豆腐

2008年03月23日 | 食べ物

今はもう、それ程話題ではないと思うが、「男前豆腐」
というのを初めて買ってみた。
たまたま、例の「シェーブル」を売っているスーパーに、
他のものを買うために行った時発見したのだ。
元々、豆腐は好きな食べものだ。
特に「湯豆腐」が。
願わくば、夏でも湯豆腐という湯豆腐派である。
そして、「絹ごし」か「木綿」かといわれれば、断然木
綿。
何故かというと、適度な固さとその香りが良いから。
そんな豆腐好きにとって、話題となったこの豆腐は、一
応チェックの対象とはなっていた。
一回食べてみたいと思っていたのだ。

で、発見したので買ったわけだ。
いくつか種類があって、どれが良いのかちょっと迷う。
普通に「木綿」「絹ごし」となっていないところが、こ
の「男前豆腐」のこれまた戦略なのだろう。
とりあえず冷奴用ではないものを選択した。
豆腐はどれも、容器の形にあわせたものとなっている
から、多分直接流し込んで作っているのだろう。
普通に直方体で良いのだが。

何だか柔らかそうなのと、形が容器の形になっている
ので、つまり曲面と平面の立体なので、湯豆腐には適
なさそうである。
しかも、試食的なものなので、今回は素直に冷奴で食
すことにした。
容器から、つるんと移し、醤油と葱を少々の前にその
ものを一口。
うん、甘い。
そして大豆の香りが強い、まるで無添加豆乳を飲んだ
時みたいな香りだ。
さらに、ものすごく柔らかい。
当然美味い、となりそうだが、これまたそうならない
ところが食べ物の不思議だ。

全体の印象は、お菓子である。
ムースのような、ブランマンジェのような、パンナコッタ
のような感触で、しかも甘いとくれば、若い女の子に
受け無いわけが無い。
最近は、「甘くて柔らかいイコール美味しい」という法
則がすっかり一般化してしまった。
こちらからすると、何故豆腐をお菓子にしなければな
らないのかという疑問があるのだが、コンビニのスナッ
ク菓子が食事代わりという世代にとっては、むしろ喜
ばしいことなのだろう。
どう考えても、味覚の幼児化にしか思えないのだが。

結局、それら一般的に受ける要素が、そのままこちら
からすると美味しくない要素になっているのが今回の
「男前豆腐」であったのだ。
適度な固さ感触はほしい、つまり昔ながらの水抜きを
して。
型に入れて固めたのでは、豆乳にゼラチンを入れて固
めたのと大差ないのだ。
後、甘味もあんなに甘い必要はない。
兎に角、全体的に風味が違いすぎる。
伝統的な製法の豆腐が一番、これが今回の結論であっ
た。
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