ロブ=グリエの遺作となった映画「グラディーヴァ.
マラケシュの裸婦」のDVDが来た。
2006年に制作。
原作というか、一応元になった小説はあるらしい。
知らないドイツ人作家の「グラディーヴァ」という小
説である。
映画は、画家の「ドラクロア」の作品を重要な小道具
と使い(主人公はその研究家)、夢なのか、現実なの
か、モロッコのマラケシュを舞台に、官能的な世界が
繰り広げられる。
と、簡略にまとめればそうなるのだろうと思われる。
ロブ=グリエを知らない人が見れば、「何を言いたい
んだかわけ分からない」と一言で済まされそうな映画
であることは多分間違いない。
今回の作品は、BGMも少なく、画面も同じような場
所が多く(これはいつものこと)、視覚的にも聴覚的
にも仕掛けは少ない。
自宅、娼婦の館の二つが全てみたいなものだ。
グラディーヴァという女性に導かれ、娼婦の館に紛れ
込んだ主人公が、殺人を犯したのか犯さなかったのか
どっちなのか、そのどちらでもない、果たしてそれは
娼婦の館なのかそうではないのか、完全に夢なのか、
グラディーヴァは実在するのかしないのか、そんなど
っちなんだという映像がずっと続いていく。
そこに、マラケシュの埃っぽい空気が、更に何ともい
らだつ効果を与えている。
この部分だけとればベルトルッチの「シェルタリング・
スカイ」の雰囲気だ(この映画は寝てしまったが)。
元々がそういう世界を書き続けた作家だから、これこ
そが真骨頂であるのだが。
作品全体の印象としては、「危険な戯れ」と「囚われの
美女」を、「危険な戯れ」6、「囚われの美女」4と
混ぜておとなしくした感じである。
個人的には「囚われの美女」の方が好きだし、流石に
今回の作品は、ちょっと枯れたのかと思うようなもの
だった。
才気走ったところがないのが、寂しい。
老境という言葉が思い浮かぶが、これはしょうがない
ことだと思う。
個人的には、遺品ということで所持しようと思う。
話は全く変わるが、「浦和レッズ」相当調子悪そうだ。
高原も、すっかり並みのFWだし(現時点では)、な
により、チームのまとまりが無いのが一番の問題だろう。
この先どうなることやら。