ピカビア通信

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ベトナムの真実 世界の果て

2011年01月24日 | Weblog

 

 

BSハイビジョンの「ベトナムの真実」(1975年)というドキュメンタリーを見だしたら、結局最後まで見てしまった。アメリカが声高に唱える正義の胡散臭さが要注意であることは今も変わりがないが、戦争に突入するときの状況、威勢の良い意見に同調し勢い付く普通の人間の怖さは、日本でも尖閣諸島問題の時の、主に40代50代のやたらと威勢の良かった姿の中にも見えた。あの時は、大勢がナショナリズムに傾倒したら、反対意見などこうやって一気に無力化されるのだと、戦前の日本を想像しながら思ったものだ。

そのナショナリズムだが、今チュニジアで起こってる出来事は、決して民主化されバラ色の未来に通じているものではないと思う。ナショナリズムがイスラム原理主義に吸収されて、今まで力で押さえて安定していた国家が、一気に不安定になる危険性があるのではないか。それが、エジプト更に他のアラブ諸国に波及したら、それこそ世界の大混乱だ。一部に富が集中する市場原理を中心としたグローバリズムは、イスラム原理主義を活性化するという皮肉。根底にあるのは、やはり貧困ということになるのだろうか。

と、「ベトナムの真実」から、思わず、世界の果ての(全ては地球の中心だが)チュニジアまでたどり着いてしまった。

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