この辺りはまだ梅雨が明けたらしい宣言はしてないが、暑さはすでに真夏並み。この前もこの話題が出たが、信州の夏も暑くなったものである。子供の頃は、7月で30度を越える日など滅多になかった、ような気がする。小学生のときであれば、こんなに嬉しいこともなかったろうが、年とともに極端な暑さ寒さは勘弁してほしくなる。
今日は、ビオトープではなく家の前の小川(そんな牧歌的なイメージの川ではなく幅50センチほどの側溝のようなもの)でオニヤンマの羽化殻が一つ発見された。てーことは、この川でヤゴの状態で密かに四五年は暮らしていたということになる。大体今までオニヤンマに限らずトンボが羽化したのなど見たことない川だ。今回のケースは、推測するに、上流で産卵した卵が流れてたまたまここで引っかかり、孵化し、たまたまヤゴの状態で生き続けられ、めでたく本日羽化のはこびになったのだろう。沢蟹が流されてくることもあるから、上流は(ここは言わば上流の本流から引いた水路のようなもの)それなりに綺麗であると思う。それにしてもこういうのを見ると、偶然性のダイナミズムというかある種の自然のたくましさを感じる。正確には、たくましくもあり脆くもありだろうが。
そう言えば、先日「更級」に行ったときも、近くの商店の壁でトンボが羽化していたと聞いたばかりだ。発生したのは街中の側溝(そこは紛れもなく側溝でそこしか考えられない)。どんなヤゴかと聞いても、当然判らない。世の中の殆どの人にとっては、ヤゴの形など興味の対象外だ。これも推定だが、カワトンボのハグロトンボあたりではないかと思う。羽化殻を見に行きたい所だが、子供もその羽化するところを見ていたということなので持ち去ったと考えた方が良さそうだ。うーん、残念!
写真はそのオニヤンマのヤゴ。緑がほしいのでミントを添えてみました。実は、実際止まっていたのがミントの葉っぱで、何故か、家の前のアスファルトの隙間からそれが生えているのだ。