このところちょっと無料映画づいている。結果、借りてまでして観ないであろう映画も観てしまうということになる。そんな日本映画の一つが「告白」(日本映画で観たいのは殆どないのが現状)。それなりに話題になった映画で、その内容に付いていけない、とても共感できない(ごもっとも)などの感想の多い映画だったと記憶している。映画は、殺された娘の復讐をする教師が一応中心となって、被害者加害者それぞれ当事者が各自の視点で自分の思いを告白するという構成をとっている。加害者が教え子でそれに対する復讐、それに付随していろんな殺人が起こるという、一般的には所謂ショッキングな内容である。
で、どんな映画かはそれなりに興味はあった(飽くまでも無料であれば)。殺人以外にもいじめを盛り込んだり(エイズも)、一応今日的なテーマを扱っている。が、映画として観た場合どうかと言われれば、面白くないとしか言いいようがない。この監督「嫌われ松子」でも感じたのだが、ちょっと現実離れした題材を扱うのはいいが、表現の仕方が大袈裟でしつこい所があり、結果歯切れの悪い演出となっている。変に情緒に引きづられたり思い切りが悪いのだ。今回は特に叫ぶ場面がただただうるさかった。それに、これは演出も関係あると言えばあるのだが、「松たか子」の横顔が「大林素子」にしか見えなかった。要するに美しくない。ファミリーレストランの場面など、その孤独を表現するためか敢えてガランとした雰囲気にしているが、日本のよくあるホラー映画の一場面のようで、何か類型的な安っぽさしか感じなかった。その安っぽさは全編通じて感じるところでもあった。
と、無料で観た人間がいろいろ文句をいうのもどうかと思うが、こんなに無料で観られて良いものかどうかとそちらのほうも気にかかる。ロメールの「海辺のポーリーヌ」やブニュエルの「銀河」なども発見し観る候補が次々出てくるのは喜ばしいが、本当に良いんでせうか。「エルトポ」まであったのには更にビッツラでした。