ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

マルタン改めルリボシの悲劇

2011年07月14日 | 生き物 自然

 

まず訂正。いままでずっと「マルタンヤンマ」だと思っていたヤンマ系のヤゴは「ルリボシヤンマ」であることが判明した。聖マルタンと同じ名前とすると綴りはMARTINかとか、英語で言えばセントマーチンかとか、いろいろ想像を巡らしていたがルリボシであるとすれば全ては関係ないことであった。で、マルタン改めルリボシの、二頭いるうちの一頭はすでに羽化が終了している。羽化瞬間は目撃できず(トンボの姿も)羽化殻のみを前に残念な思いで残りの一頭の羽化を楽しみにしていた。そして遂に、その残りの一頭が羽化のためビオトープから這い出した。ところが、またこちらが用意した羽化棒は使わず、ビオトープと一段下の鯉の池との間の岩に定位した。まあここだったら観察にも好都合だと、その時は良しと思った。その後の悲劇など想像すらできなかった。しばらくするとにょろっと出てきた(23時)。

 

 

となりのビオトープアネックスでは、オオシオカラトンボのヤゴ20号も羽化開始。ルリボシヤンマにオオシオカラトンボ、夏の夜に仲良くでてきて羽化日和...っと。

 

 

その後も順調に進み、体は完全に出きった。後は全身乾くのを待って明け方飛び立つだけだ、と安心しきっていた。

 

 

ところがだ。一時間後に(2時)様子を見に行くとトンボの姿がないではないか。いくらなんでもまだ飛べない。どうなってるんだと周辺を探すが(一番可能性が高いのは蟻の襲撃)全く見当たらない。池に落ちてはいないか(下の水の部分)。落ちて鯉に食べられてしまったか、と池全体をもう一度見渡して見ると背後でぷかぷか浮いている瀕死のルリボシを発見。羽化殻周辺に蟻がせわしなく歩いていたので、多分襲撃にあったのは間違いない。そして下に落ちたと思われる。十分に乾いていない羽は完全にくっつき折れ曲がり、こんな姿になってしまっていた。これでもまだ生きているのだが、生き延びる可能性は0パーセント。後は死を待つだけである。

 

 

だから羽化棒を用意したのに。これだったら、定位したとき部屋に持って行ってそこで羽化させればよかった、と思っても後の祭り。何とも最悪の結末を迎えてしまった。自然界では普通にあることだが、今回の場合は回避できたのにという思いが強い。後悔の念を抱えつつ、その朝、近くの川を観察に行くと、ここでも羽化の真っ最中。「メガネサナエ」というサナエトンボの仲間だ。この仲間は、明け方とかではなく午前中に羽化するらしい。羽化失敗も成功も、全ては日常の中の出来事であった(エイリアン注意)。

 

 

 

 

 

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