昔の本を整理していたら、本の間に当時の絵葉書と定期券が挟まっているのが見つかった。「絵葉書と定期券」などと言っても、別に青春フォークの題材になるような思い出が蘇るわけではない。それより不思議なのは、何故この二枚がここにということである。いずれにしろ、この本がタイムカプセル代わりになったいうのは事実のようだ。
絵葉書の映画は「北国の帝王」というアルドリッチ監督、リー.マーヴィン主演の、無賃乗車の帝王と呼ばれた男とそれを阻止する車掌の戦いを描いた作品だ。今であれば、何!アルドリッチか、と期待を膨らませるところだが、当時は勿論アルドリッチなど知らず、その葉書に書いてある「FOX映画が放つ!史上最大のSLアクション超特作」という宣伝文句に惹かれて行っただけだった。見終わって、どこが史上最大なのだと思ったことは記憶している。それにしても、超特作って何んなのだろう。因みにSLアクションのSLと言うのは蒸気機関車のSLのことである。
定期券は、江古田.四谷間の三ヶ月定期。当時のお値段は3060円である。普通こんなものは捨てるだろうに、何故か残ってしまった。しかし、今となっては写真より貴重と言えば貴重かもしれない。こうなると改めて捨てることはできない。かと言って大事にとって置いてもどうなるものでもないのだが。まあ、記憶上のマーキングみたいなものか。唯、絵葉書のほうは結構お宝的価値はありそうである。