経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

日本人は 絶滅危惧種!? (下)

2023-03-04 08:23:43 | 人口
◇ 世界一の大富豪が‟日本消滅”を危惧 = 厚労省は22年の死亡者数も発表した。それによると、年間の死亡者は前年より8.9%増えて158万2033人。戦後では最多を記録した。コロナでは3万9000人が亡くなっている。昨年80万人を割り込んだ出生数から、この死亡者数を差し引いた数字が人口の自然減。昨年は78万2305人で過去最多。ほぼ山梨県と同じ人数が、1年間で減少した。

日本の総人口は、2008年の1億2808万人がピークだった。それから減り始め、21年には1億2550万人となっている。この間、減少幅はしだいに拡大。また年齢構造的に、少子高齢化ガ進んだ。人口の自然減は、過去16年にわたって続いている。仮に現在の傾向が続いたとすると、日本の人口は200年後に1000万人を割り、3300年にはゼロになるという試算もある。まだ数字を弄んでいる段階だが、少子化の勢いは止めにくいことも確か。

テスラの創業者で世界一の富豪といわれるイーロン・マスク氏は、大の日本びいき。そのマスク氏がツイッターに「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ存在しなくなるだろう。世界にとって、大きな損失となる」と書き込んで、話題となった。ちなみにマスク氏は最近ツイッターを買収、その資産は200億ドル(2兆6000億円)を超えるといわれる。また双子と三つ子を含む9人の子持ち。

国が豊かになると、出生率が低下する。たとえば中国も少子化で、人口が減り始めた。子育てに必要な資金不足も大きな原因には違いないが、若者の価値観が変化することも大きな要因に。したがって経済面からの支援も効果はあるが、それだけで少子化は止まらない。日本も移民政策の確立や生産・流通面での徹底したロボット化など、人口の縮小に対応した政策が必要になっている。

        ≪3日の日経平均 = 上げ +428.60円≫

        【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】    

日本人は 絶滅危惧種!? (上)

2023-03-03 07:39:23 | 人口
◇ おカネだけでは止められない少子化 = 厚生労働省は28日、昨年の外国人を含む出生数が79万9728人に落ち込んだと発表した。統計を取り始めた1899年以来、初めて80万人を割っている。コロナの影響もあって前年比は5.1%の減少、21年の3.4%減少から加速した。岸田首相は「危機的な状況だと認識している」と述べ、政府は3月中に総合的な少子化対策をまとめる方針。

出生数の長期的な推移をみると、最大だったのは第1次ベビーブームと言われた1947-49年の年間269万6000人。次は第2次ベビーブームだった71-74年の年間209万2000人。そこからは急な下り坂を転げ落ち、少子化ガ急速に進んでいる。この間、たとえば保育サービスや児童手当などを合計した家族関係社会支出は、90年度の1兆6000億円から20年度の10兆8000億円へと大幅に膨らんだ。しかし少子化の勢いは少しも緩んでいない。

いま岸田内閣は、①経済支援の強化②子育てサービスの充実③仕事と育児の両立支援--を3本柱に、家族関係社会支出を倍増させると意気込んでいる。その財源を巡って、国会で論争が行われていることは周知の通りだ。しかし過去30年間の実績からみて、こうした財政支援で少子化が収束するとは考えられない。少子化はおカネだけで解決できる問題ではないからだ。

たとえば子ども1人当たり年間100万円を支給するとでも言えば、話は別。だが、そんなおカネは出しようがない。また働く人たちの実質収入が毎年3%ずつ増えると保証すれば、出生数は必ず増えるだろう。だが、そんな経済成長も望めるはずがない。おカネでダメなら、あとは若い人の結婚観や家族観が変わるのを待つしかない。しかし、それには時間がかかるし、変わる可能性があるかどうかも判らない。

                        (続きは明日)

        ≪2日の日経平均 = 下げ -17.66円≫

        ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

労働力人口の 伸びが止まった!

2023-02-02 07:37:32 | 人口
◇ 人手不足の時代になる? = 総務省は31日、昨年12月の労働力調査を発表した。それによると、就業者数は前年同月より10万人増えて6716万人。失業者は15万人減って158万人に。失業率は前月と変わらず2.5%となっている。就業者の内訳は正規の労働者が4万人減る一方、非正規の労働者が35万人増えた。これはコロナ規制の解除で、宿泊や飲食サービス業の雇用が増加したことによる。

見逃せないのは、労働力人口が減少したこと。前年より4万人減って6875万人となった。労働力人口とは、就業者と失業者を足した数字。つまり働いている人と働く意欲のある人の合計だ。この労働力人口は総人口が減っているにもかかわらず、これまで増え続けてきた。たとえば2000年の労働力人口は6761万人だったから、昨年末までに114万人増加したことになる。

総人口が減り、少子高齢化が進んだため、生産年齢人口は減少し続けている。生産年齢人口というのは、15-64歳の人口。生産に携われる人たちという意味だ。2000年の生産年齢人口は8638万人だったが、21年には7450万人に減少した。ところが総人口や生産年齢人口が減少しても、労働力人口は増え続けてきた。原因は女性と高齢者が働き始めたからである。

しかし総人口が減り続ければ、女性と高齢者が頑張っても限界がある。昨年12月の数字は、その兆候である公算が大きい。その穴埋めは外国人とロボットに頼るしかないが、現状では多くは期待できそうにない。大局的にみて、日本はこれから本格的な人手不足の時代に入るのではないか。また最もおカネを使う世代である労働力人口が減ると、消費が減退する。日本経済は、またしても難題に直面するわけだ。

        ≪1日の日経平均 = 上げ +19.77円≫

        ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

爆発した 世界の人口 (下)

2022-07-15 07:32:25 | 人口
◇ 過剰人口と格差の大問題が発生 = 世界の人口爆発は、①100億人という多すぎる人口が惹き起こす問題②その内部で必然的に生じる格差の問題--を発生させる。まず過剰な人口が惹き起こす問題は、食料・エネルギー・資源が不足して奪い合いが起こる危険性。国連によると、いまのウクライナ危機だけで世界で16億人がその危機に曝されているという。ウクライナ戦争が終結したとしても、それよりずっと厳しい状態に陥る危険性は決して否定できない。特に多くを輸入に頼る日本は、どう対処したらいいのか。

いま日本は電力不足の危機に見舞われ、食料や資源の高騰に悩まされている。しかし政府も一般の国民も、ウクライナ戦争が終われば正常な状態に戻ると信じているようだ。だが長期的にみれば、食料・エネルギー・資源の奪い合いが続くことは避けられないのではないか。政府は安易な‟対症療法”ではなく、食料・エネルギー・資源の自給率を少しずつでも引き上げる戦略的な政策を重視すべきではないのか。

もう1つは、格差の問題。人口が少ない先進国に、富が集中していることは事実である。そして貧しい国の人口が、ますます増えて行くことも事実である。当然ながら、格差は拡大する。この傾向が、どのような結果をもたらすのか。国や地域、あるいは人種や宗教や言語の違いによる対立が、ますます強まる危険性はないのだろうか。

いまウクライナ戦争を巡って、アメリカ・EU・日本は一致して民主主義を守ろうと努力している。だが世界を見渡すと、いわゆる民主主義国の人口は約35億人。これに対して非民主主義国の人口は40億人を超えている。推計によれば、民主人口は減り気味。非民主人口は大幅に増えそうだ。こうした状況をどう乗り切って行くのか。人類にとって史上最大の試練なのかもしれない。

        ≪14日の日経平均 = 上げ +164.62円≫

        ≪15日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

爆発した 世界の人口 (上)

2022-07-14 07:31:56 | 人口
◇ ことし11月15日に80億人を突破 = 「もの凄い数字だ」としか言いようがない。国連の推計によると、世界の人口はことしの11月15日、80億人を超える。1900年には16億5000万人だったものが、2011年には70億人に増えていた。今後は30年に85億人、50年には97億人。増加率がしだいに下がるため、80年代には104億人でピークを迎える見通しだという。

そうしたなかで、人口の変動は地域や人種間で大きな差を生じる。たとえば、いま最も人口が多い中国はすでに縮小期に入っており、来年中にはインドが代わって世界一の人口大国にのし上がる。また一般にアメリカを除く先進国の人口は減少する一方、アフリカを中心とした途上国の人口が増加を続ける。特に22-50年の間、後発発展途上国と呼ばれる46か国の人口が11億1000万人から19億1000万人に増加する見通しだ。

具体的にみると、今後も人口が大きく増える国はインド・ナイジェリア・コンゴ・エチオピアなど。日本を筆頭に少子化で人口減に悩む先進国とは、全く対照的だ。先進国のなかで、唯一の例外はアメリカ。人口の自然減少を、移民によって補っている。20年の国勢調査によると、白人の人口が初めて減少、全人口に占める白人の比率も6割を切った。

世界人口の増大は、2つの重大な問題を提起する。1つは食料の問題。いまウクライナ戦争の影響で食料不足が問題となっているが、これは供給不足が原因。その裏では、人口増による需要増を原因とする食料不足という問題が着々と進行しているわけである。もう1つは、貧富の差がますます拡大しかねないこと。人口の少ない富者と人口の多い貧者の対立が、激化する危険はないのだろうか。

                       (続きは明日)

        ≪13日の日経平均 = 上げ +142.11円≫

        ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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