◇ 日銀がひと言つぶやけば円高になるのに = FRBは1日の政策決定会合で「現行の金融政策を据え置くこと」を決めた。声明のなかで、FRBは「ここ数か月間、2%の物価目標に向けた進展がみられなかった」と、その理由を説明している。パウエル議長も記者会見で「インフレ抑制への自信を得るまでには、まだ時間がかかりそうだ」と補足した。市場は完全に織り込んでいたため、株価は小幅に値上がりしただけだった。
ところが為替市場では、157円台で動いていた円の対ドル相場が153円にまで急伸した。FRBの決定を受けて、本来ならドル高・円安が進行するはず。それが円高となったのは、日本政府と日銀が再び為替介入に踏み切ったからに違いない。だが投機筋が豊富な資金を持っている現状で、介入の効果はたかが知れている。その証拠に29日にも介入したが、その効果は1週間ももたなかった。にもかかわらず介入したのは、政府が円安による物価高を黙認できないと判断したからだろう。
現在の円安は、日米間の金利差が根本的な原因となっている。介入は一時的に相場を動かすが、根本的な原因には及ばないから、効果がない。この金利差を縮小するには、日銀が利上げをすればいい。いや実際に利上げをしなくても、たとえば「円安が続けば、利上げを考える」と言うだけで、円相場は5-6円も上がるだろう。それに量的引き締めを加えれば、10円ぐらいはすぐ上がる。
しかし日銀は、全く動かない。植田総裁は記者会見で「いまの円安が物価に与える影響は無視できる範囲内か」と聞かれて、はっきりと「はい」と答えた。これが本心なのか、疑ってしまう。とにかく日本国の財産である外貨準備を大量に使って無益の介入をするより、日銀総裁がひと言つぶやけば、円相場は確実に上がる。少なくとも日銀は、そうしない理由を明らかにすべきだろう。
≪2日の日経平均 = 下げ -37.98円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝0敗】
ところが為替市場では、157円台で動いていた円の対ドル相場が153円にまで急伸した。FRBの決定を受けて、本来ならドル高・円安が進行するはず。それが円高となったのは、日本政府と日銀が再び為替介入に踏み切ったからに違いない。だが投機筋が豊富な資金を持っている現状で、介入の効果はたかが知れている。その証拠に29日にも介入したが、その効果は1週間ももたなかった。にもかかわらず介入したのは、政府が円安による物価高を黙認できないと判断したからだろう。
現在の円安は、日米間の金利差が根本的な原因となっている。介入は一時的に相場を動かすが、根本的な原因には及ばないから、効果がない。この金利差を縮小するには、日銀が利上げをすればいい。いや実際に利上げをしなくても、たとえば「円安が続けば、利上げを考える」と言うだけで、円相場は5-6円も上がるだろう。それに量的引き締めを加えれば、10円ぐらいはすぐ上がる。
しかし日銀は、全く動かない。植田総裁は記者会見で「いまの円安が物価に与える影響は無視できる範囲内か」と聞かれて、はっきりと「はい」と答えた。これが本心なのか、疑ってしまう。とにかく日本国の財産である外貨準備を大量に使って無益の介入をするより、日銀総裁がひと言つぶやけば、円相場は確実に上がる。少なくとも日銀は、そうしない理由を明らかにすべきだろう。
≪2日の日経平均 = 下げ -37.98円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝0敗】