経済なんでも研究会

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最悪のパターン : 5月の貿易

2019-06-21 07:43:15 | 貿易
◇ 輸出は6か月続けて減少 = 財務省が19日発表した5月の貿易統計は、きわめて芳しくない内容だった。輸出は5兆8400億円で前年比7.8%の減少。輸入は6兆8000億円で1.5%の減少。この結果、貿易収支は9700億円の赤字となっている。米中貿易戦争の影響もあって、中国経済が不調に陥ったことが最大の原因。アメリカ向けを除いて、ほぼ全地域向けの輸出が伸び悩んだ。

商品別にみると、半導体製造装置が30.4%の大幅減少。次いで自動車部品が11.8%、鉄鋼が8.7%減少した。また地域別にみると、アメリカ向けが3.3%の増加。EU向けは7.1%、アジア向けは12.1%、中国向けは9.7%の減少となっている。EUやアジア諸国向けも、これらの地域からの中国向け輸出が減退したためとみられている。

輸出の減少は、これで昨年12月から6か月連続となった。5月の円相場は、昨年同月より1.8%の円安だった。にもかかわらず、輸出の減少が止まらない。しかも輸入の減少が小幅になってきたため、貿易収支の赤字は拡大しつつある。たとえば1-3月期の貿易赤字は5600億円だったのに対し、5月は単月で1兆円に近い赤字となった。

貿易赤字の拡大は、景気の悪化要因になる。1-3月期は輸出も減ったが、輸入がそれ以上に減少した。このため貿易赤字は小幅に抑えられ、GDP成長率もプラスを維持することができた。しかし5月のような赤字が続くと、GDP成長率もマイナスに落ち込む危険性がある。消費増税を目前にして、4-6月期のGDPはどうなるのだろうか。

       ≪20日の日経平均 = 上げ +128.99円≫

       ≪21日の日経平均は? = 上げ≫

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