経済なんでも研究会

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見透かされた G20財務相・総裁会議

2020-02-26 08:16:40 | なし
◇ アザ笑うように株価は全面安 = サウジアラビアの首都リアドで開かれたG20(主要20か国)財務相・中央銀行総裁会議が23日、共同声明を発表して閉幕した。会議では新型コロナ肺炎が世界経済に及ぼす悪影響が大きなテーマに取り上げられたが、共同声明は「世界経済のリスク監視を強化する」「全ての利用可能な政策手段を用いる」と表現されただけ。なんとも具体性のない内容になっている。

G20会議は世界経済のグローバル化が進み、新興国の経済水準も向上してきたことから、先進国と主要新興国が一緒に話し合う場を設けるために設置された。財務相・総裁会議は1999年に発足している。しかし先進国と新興国の意見がしばしば対立し、意見の一致をみることは少なく、その存在意義を疑問視する声も少なくない。

ただ今回の会議では、先進国と新興国が対立したわけではない。世界経済が悪化した場合、景気対策を打ち出すのは先進国が主体となるが、その先進国には財政支出を増大したり、金融を緩和する余裕がない。このため共同声明でも「利用可能な政策」とは書いたが、「財政」とか「金融」とか具体的な政策には言及できなかった。

はたして週明け24日のニューヨーク市場では、株価が1000ドル以上も暴落した。ヨーロッパやアジアの株価も一斉に大きく下落、世界同時株安の様相を呈している。G20会議では「コロナ肺炎の世界経済に与える打撃を再確認したものの、具体的な対策を打ち出せるはずはない」と、市場が断定したかのようだ。G20会議にも肺炎が伝染し、集中治療室に搬送されたようである。

       ≪25日の日経平均 = 下げ -781.33円≫

       ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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