経済なんでも研究会

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成功例がない 海底資源の採掘

2022-11-04 07:26:11 | 資源
◇ 優先順位をつけて補助金をたっぷり = 政府は小笠原諸島・南鳥島沖の水深6000メートルの海底で確認されているレアアース泥の採掘に乗り出す。いま編成中の補正予算に必要経費を計上、5年以内の試掘を目指す--読売新聞が31日の朝刊で、こう報じた。レアアースはスマホやパソコン、EV(電気自動車)などの生産には欠かせない原料。いまは中国や南米からの輸入に頼っており、成功すれば万々歳ということになる。

日本は領海とEEZ(排他的経済水域)を含めれば、世界第6位の海洋国。これまでも金・銀・銅やレアメタルを含んだ熱水鉱床、天然ガス、それにメタン・ハイドレードなど、貴重な資源の存在が確認されている。ここ5年ほどの新聞をめくってみても、そんな記事が10件以上も掲載された。しかし実際に採掘が始まったという報道は、まだ1件もない。

たとえばメタン・ハイドレードは、シャーベット状になった天然ガス。いくつかの海域で発見され、日本の需要を100年以上も賄えるほどの分量。金額にすると120兆円に相当する。これが採掘できれば、日本はエネルギーを輸入に頼らなくて済む。しかも採掘技術はほぼ完成している。それなのに事業化できないのは、コストが高く採算がとれないからだという。

岸田内閣はお得意の補助金を、こういうところに使うべきだ。最も有望な事案に5兆円ぐらいを投入、2年後には採掘を開始する。財源は国債発行に頼っても、原油や資源の輸入量が減れば十分に元がとれる。成功例がいくつも出てくれば、日本経済は活気を取り戻す。目先の物価対策もいいが、国民はこうした将来を見据えた政策を期待している。

        ≪4日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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