◇ FRBは楽観論だが = アメリカの中央銀行であるFRBは先週、政策金利を年1.00-1.25%に引き上げた。一昨年12月に引き締めに転じてから4回目の利上げで、政策金利が1%台に載せるのは8年半ぶりのこと。市場は今回の利上げを完全に織り込んでいたから、全く動揺は見られなかった。しかし景気の先行きを巡っては、FRBと市場の見方に明らかなミゾが生じ始めている。
イエレンFRB議長は会見で、利上げを決断した理由として「アメリカ経済が好調で底堅い」ことを強調した。また「物価の伸び悩みは一時的」「雇用には改善の余地がある」とも述べている。5月の消費者物価が1.7%の上昇にとどまり、小売り売上高や新車の売れ行きも予想を下回った。また雇用者の増加数も、大きく鈍化している。イエレン議長はこうした最近の経済指標を念頭に置きながら、景気の先行きに心配はないと説明したわけである。
この景気見通しに対する市場の反応は、まちまちだった。株式市場はあまり気にせず小幅に上げて、ダウ平均は最高値を更新している。ところが債券市場の反応は違った。ふつう政策金利が引き上げられれば、長期金利は上昇する。しかし今回は国債などが買われ、10年もの国債の利回りは7か月ぶりに2.10%まで低下した。このため為替市場では、ドル安・円高が進行することになった。
景気の先行きは、そんなに思わしくない。FRBによる年内の追加利上げは不可能だ。したがって、金利はもう上がらない。債券市場ではこうした見方が多くなって、買い物が増えた。FRBの楽観的な見方を否定したわけである。さて、FRBと債券市場の見方はどちらが正しいのか。7月初めに発表される6月の雇用統計と新車販売台数が、その行司役を務めることになりそうだ。
≪19日の日経平均 = 上げ +124.49円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
イエレンFRB議長は会見で、利上げを決断した理由として「アメリカ経済が好調で底堅い」ことを強調した。また「物価の伸び悩みは一時的」「雇用には改善の余地がある」とも述べている。5月の消費者物価が1.7%の上昇にとどまり、小売り売上高や新車の売れ行きも予想を下回った。また雇用者の増加数も、大きく鈍化している。イエレン議長はこうした最近の経済指標を念頭に置きながら、景気の先行きに心配はないと説明したわけである。
この景気見通しに対する市場の反応は、まちまちだった。株式市場はあまり気にせず小幅に上げて、ダウ平均は最高値を更新している。ところが債券市場の反応は違った。ふつう政策金利が引き上げられれば、長期金利は上昇する。しかし今回は国債などが買われ、10年もの国債の利回りは7か月ぶりに2.10%まで低下した。このため為替市場では、ドル安・円高が進行することになった。
景気の先行きは、そんなに思わしくない。FRBによる年内の追加利上げは不可能だ。したがって、金利はもう上がらない。債券市場ではこうした見方が多くなって、買い物が増えた。FRBの楽観的な見方を否定したわけである。さて、FRBと債券市場の見方はどちらが正しいのか。7月初めに発表される6月の雇用統計と新車販売台数が、その行司役を務めることになりそうだ。
≪19日の日経平均 = 上げ +124.49円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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