魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

不思議な引力その2

2007年10月02日 | ちょっと怪しい
さて、昨日の続きです。

外観ですら異空間です。惹きつけられます。
中を覗いてみました。
こーんな感じです。




何もありません。
コンクリートの柱と壁だけです。




上記の写真の位置より真っ直ぐ数十メートル進み、奥に広がる空間へ来ました。



光が穴の空いた天井より漏れて、何とも言えない陰影です。
ちょっとした密林のようでもありますね。


コンクリートの壁や柱の数々、そしてそれらを包むのか、寄り添うのか、
もしくはいつの日か飲み込むのか?・・・植物がどんどん覆い始めています。

また少し進んで行くと何故か壊れたイスが・・・・・・
誰が置いたの?




そして、その場所から後ろを振り返ります。




見上げると・・・!!!




コンクリートと植物と、入り込む光、それらが織りなす神秘とも言える
光景です。

しばらく噛みしめ、デジカメと共に心のシャッターも押してしまいました。

中央横に広がるのは2階の床ですが、階段は壊れ、失われ、登ることは
出来ないようです。


はてさて、ここは何の目的の建物か?
もちろん観光ガイドなどには載っていません。




壁を見ると・・・、



他にもいくつか標語が書いてありました。

実は、ここは造船所だったのです。
しかも悲壮な兵器が造られていました。
回天(人間魚雷)、震洋(特攻ボート)などです。
学徒動員や強制労働者など2500名が働いていました。幼気な子供や
女子学生までもが、忌まわしい特攻兵器をこの場所で造っていたのでしょう。


戦後も10年ほどは稼働してたらしいのですが、
廃墟となって50年以上が経ち、この様な光景です。
今はもう何もありません。空間だけです。

ぜひとも残してもらって、多くの方の目に焼き付けて頂きたいですね。

私は長崎ですから、「原爆」があまりに悲惨すぎるので、そればかりを
メインに「戦争の傷跡」として強調された環境に住んでおりますが、
原爆以外にも戦争の負の遺産はたくさんあります。
それらにもしっかりと目を向けたいと思いました。


コメント
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