魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

神の雫 その2(第2話)

2009年01月21日 | ワイン ~2019年
TVドラマ「神の雫」第2話見ました。
(ちなみに私はこのコミックはほとんど読んでおりません。)


本日はマニアックに攻めたいと思います。講釈たれますぞー!


今回は第一の使徒で、
2001 シャンボール・ミュジニー 1er レザムルーズ
(造り手、ジョルジュ・ルーミエ)の登場でした。

久しぶりにルーミエでも飲むか~と、このワイン(写真)を出して・・・。




というのは・・・・・ウソで~す


ジョルジュ・ルーミエのワインはそんなに簡単には飲めないんですよ。
ほとんど入れませんし、入れても高いですからね~。




最初に遺言書でワインの表現が出た時に、家内とこりゃブルゴーニュかな?
・・・そうなるとシャンボール・ミュジニーっぽいなぁ・・・なんて
話したのですが、「やはり」でした。


まず、コノスル ピノ(チリ)が出て、ブルゴーニュ各地の村名ワインが
ズラーーッと並べられ(ルソー、デュジャックなどなど・・・有名な造り手)


そして、ロベール・グロフィエのアムルーズが登場。
グロフィエも素晴らしい造り手です。(これも結構高い)


ライバルのワイン評論家も「ヴォギュエ」とか飲んでたし・・・。

ゴージャスな華のようなワインたちでしたね~。
(シャンボール・ミュジニー村自体がブルゴーニュの中でも屈指に
華やかなワインを産する村なのです)


ちなみにですが、

・ヴォーヌ・ロマネ村の極上ワイン・・・金持ち、セレブの世界。
(ロマネ・コンティをはじめラ・ターシュ、リシュブールなど)

・シャンボール・ミュジニー村のワイン・・・マニアの世界。
(ミュジニー、ボンヌマール、レザムルーズなど)

こんな図式が一般的かも?です。



造り手が「グロフィエ」ではないとして、いきなり「ルーミエ」に
いきますか?「ヴォギュエ」ではいけませんか?「ルロワ」やはたまた
「ドミニク・ローラン」等という発想の転換はありませんか?


偉大な年として2002年でしたが、はずれ年として2001年にいきますか?

98、97でなく、ましてや92年(だったら素晴らしい!)でなく、
さらには2000年でなく「2001年」。これは推測不可能でしょう。

いっそとことん不作の94、77、75、68年あたりだと、それはそれで
奇跡を見る思いかもしれません。



いずれにしろ、これだけ書いておきながら、ワインマニアでない
普通の人たちは、どんな印象なのだろうか?と考えると怖いです。

あまりにえげつなくマニアックな世界に映るのが心配です。

さらに飲み残して置き去りにされたワインたち・・・・・
すごくもったいなかったですねぇ!
(スタッフ一同で飲んだことでしょう、いいな~)


で、結局何を飲みたくなるのでしょうか?

「ジョルジュ・ルーミエのワイン」

「レザムルーズ」

「シャンボール・ミュジニー」

「ブルゴーニュワイン」

「ピノ・ノワールのワイン」

「2001年もの」

「華やかなイメージのする(登場した絵のような)ワイン」
(登場した絵は正直・・・ダサかったと思いました)


どれでしょうか???

「登場したそのもの」ですか?


実は登場したそのもののワインは、日本には数ケースしか入って
いなくて、まず入手は難しく、仮に見つけてもかなりお高いです。


でも明日は、店先に張り紙をしておこうと思うんですよ。
「ドラマ神の雫登場のシャンボール・ミュジニーあります!」って。
(どこかの大袈裟なネットワインショップぽいって?)

ルーミエこそもうありませんが、「レザムルーズ」や「ミュジニー」
なら一応ありますから、売れるかもしれません・・・???


なになに? そんなんで売れるわけない? 反則?


私の住む長崎の下町では、そんなの問い合わせ自体が
ある訳ありませんので心配無用です。
実は張り紙するだけ無駄なことのです。



最後に一言。

(ワインのもたらす)イメージは各自それぞれで、自分意外と
合致することはまずありません。
亡くなった主人公の父のイメージは決して実の子供であれ、合致
することは不可能に近いと思われます。


それぞれの方が思いのままにイメージを持ち、表現されることの
自由を願っています。決して誰からも過去からも支配されるべき
ではないでしょう。




以上、長々と講釈にお付き合いいただき、貴重なお時間を費やされ
ましたこと、お詫び申し上げます。

コメント (4)
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