魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

月日は経つよ-Ch.ヴァランタン

2017年04月19日 | ワイン ~2020年
うちのお店の前の通り(出雲通り?っていうのかな)、ずっと昔からいろんなお店がありました。

うちから下って床屋さん、牛乳屋さん、建具店、ペンキ屋さん、うちの下側に酒屋さん。
うちから上がって、お菓子屋さん、八百屋さんなど。


向かい側だって、下から酒屋さん、靴屋さん、新聞屋さん、電気屋さん、歯科、
駄菓子屋さん、銭湯、パーマ屋さん、もう1件歯科、床屋さん、質屋さん、駄菓子屋さん・・・
ついつい思い出しながら書いてしまいました。

いわゆる昭和の頃は人も多くてお店もたくさんでした。

全体的に大浦界隈は酒屋さん、パーマ屋さん、床屋さんが多かったでしょうか。


出雲通りのほぼ直線と言うのが約300mほどあって、登りになっていまして、上の方は元遊郭街だったのです。


その一番上に残っていた1軒あった酒屋さんが、3月末でやめてしまい、この通りで、
お店自体がうちしか残っていない状況になってしまいました。


通りに残ったのはたばこの自販機がひとつだけ。すごく淋しいです。
昔の面影もほぼ消えてしまいました。これから先、この通りの賑わいは戻ることはありません。


うちとていつまでやれるか分かりませんが、それでもワイン売っています。

昔はワインのワの字もなかったところですが、今は美味しいワインがいっぱいです。
ほんのささやかな賑わいでしょう。それだけは続けたいなあ・・・と密かに思います。




さあ、今夜はこれ。




2008 Ch.ヴァランタン
  (仏、ボルドー、メルロ種60%、赤、千円台前半)

過去にも入れたことのあるワインです。最近はご無沙汰でした。
久しぶりに試飲です。

香りはプラムなどの柔らかいベリーがまろやかにきます。優しい香りです。
あとは鉛筆の芯(鉛)、日陰の植物、杉、鉄分、キノコなど。熟成を感じさせる香りがあります。

味わいは熟成してまろやかな果実味で刺々しくありません。優しく包み込むようです。
メルロ主体というのが分かりやすいでしょう。(カベルネ・ソーヴィニヨンも30%は入ってます)

ただし、ちょっと主張が弱いです。これでなきゃ!というメッセージが弱いと思います。
ただ、多くの方々にふんわりと寄り添うことはできる熟成ワインでしょう。
月日が経つって・・・ホントに味も風景も移り変わっていきますねえ。


コメント
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