どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

『ヘラ鮒釣具店の犬』(6)

2006-01-06 11:24:27 | 短編小説
 桂木は、父親の転勤で三度転校している。  東北を振り出しに、関東、中部と移り住み、東京の大学に合格して初めて親元を離れた。その間、少年期を過ごし、最も心を許せる友人ができたのは、仙台の頃だった。  ずっと官舎暮らしで、父親の姿を見るのは朝だけというような生活だったから、友達と共有する時間が宝物のような価値を持っていた。アベちゃん、タカオ、モトムラ、ヨシキくん、次々と眼裏に浮かぶ同級生の顔が、みな . . . 本文を読む
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