どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

背中のカモメ

2007-09-18 05:09:37 | 短編小説
 もう十年も前のことだが、絵面吉男は伊豆半島の突端に近い白浜漁港の釣り宿に四人のグループで二夜滞在したことがある。  その折、近くにある公共の宿のスナックバーにみんなで繰り出したのだが、そこで出会った女主人の面影を突然思い出した。  使わなくなった腕時計や万年筆を放り込んである小引き出しを開けたとき、奥の方にピンク色の造花が張り付いているのを見つけたからだった。  その花は朝顔に似せて色紙を折った . . . 本文を読む
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