どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

山峡の月

2008-03-02 01:57:54 | 短編小説
 カウンターの椅子に腰を下ろしたものの、私の頭はくらくらしていた。酔いだけではない浮遊感覚が、足まで降りてきている。  実をいうと私は、ママの大きな胸に押されて二分四十七秒間われを忘れていたのだ。  背中に回した私の腕にも指先にも、ママの量感と質感が微細な振動のように伝わっていた。  ブラジャー越しの肉塊をさほど強く抱えたわけでもないのに、踊っている間中触れていた胸の一点が発熱していた。その名残は . . . 本文を読む
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