どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)16 『喋る木炭』

2009-11-27 01:56:27 | 短編小説
     (喋る木炭)       助手席には、首をがっくりと折った男がもたれるように倒れていた。  ドアを開けると、夜気と入れ替えにアルコールの臭いが流れ出た。  足元には、ほとんど空になった角瓶と七輪が置かれていた。  土田刑事は、自分の方に倒れかかる男の肢体を、肩で支えていた。  練炭自殺らしいという通報を受けて駆けつけたのだが、窓に目張りもなく、七輪には練炭でなく木炭が詰 . . . 本文を読む
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