どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

(超短編シリーズ)117 『街角のフェアリー』

2016-08-29 02:25:24 | 短編小説
   丑松は眼科から出てくると、数メートル離れた自動販売機の前で立ち止まった。  小銭入れから硬貨を取り出して入れ、無糖の紅茶缶を選んでボタンを押した。 「眼底の出血がやたらに増えてますね。血糖値をコントロールしないと、手術することになりますよ」  先生から釘を刺されたことが、気になっている。  悪くなればレーザーで焼けばいいと多寡をくくっていただけに、手術と言われてそれほど悪 . . . 本文を読む
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