どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の短編小説『水狂い』(Ⅰ)

2022-10-28 02:08:40 | 短編小説
人の嗜好はさまざまですが、俳人木戸野風の水好きは少々度を越していたのではないかと思います。 私は野風の運転手兼弟子として、彼の吟行にはたびたび同道してきたのですが、しだいに高じる水への執着に主人への懸念が膨らむのを抑えることができませんでした。 野風がいつ頃から水に憑かれ始めたのか、私もよくは知りません。 私が雇われた時、彼はすでに水好きであり、庭の井戸から汲みあげた水に何やら黒い鉱石を沈め、お茶 . . . 本文を読む
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