どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

思い出の短編小説『ゆきちゃん』

2022-10-16 00:00:48 | 短編小説
 その夜、スナック『ゆきちゃん』は店内いっぱいの客で混み合っていた。   長さ一間ぐらいのカウンターには肘がぶつかるほどの間隔で男たちが並んでいたし、背後のテーブル席二つにもぼくら四人の客が陣取っていた。  普段はママと向かい合って総勢五人並べば盛況といえる空間に、休日の夜八時だというのに男が九人ひしめいていたのである。 「ママ、いつものやつ・・・・」  常連風を吹かす客がどこにでもいるも . . . 本文を読む
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