ポツリと開花した利休梅の
気品に満ちた枝先をみつめていると
厳しさに耐えた者の迸る気合を感じる
しろしろとした蕾の数々が息を詰めて見守っている
「利心、休せよ」・・・・増長慢があったため
秀吉に切腹を命じられたと伝えられるが
大徳寺の楼門二階に自身の木像を置くということが
利休の企みとしてあったのだろうか
開花した利休梅の周囲には無数のつぼみ
弟子たちが利休の心を慕って無心で待機する
茶の湯は無心、利休も無心・・・・
にじり口の奥には湯気がチンチン
あえて問う、歴史こそ利心に満ちてはいないか
雪駄履きの利休像を秀吉にくぐらせようなどと
権力に向かって力をかざすことなど禅人の埒外
太閤の金の茶釜に不快を感じていたかもしれないが
人生七十 力囲希咄 (じんせいしちじゅう りきいきとつ)
吾這寶剣 祖佛共殺 (わがこのほうけん そぶつともにころす)
提ル我得具足の一ッ太刀(ひっさぐルわがえぐそくのひとツたち)
今此時ぞ天に抛 (いまこのときぞてんになげうつ)
利休宗易が死の前日に作ったとされる遺偈(ゆいげ)には
気迫のこもった覚悟が見て取れる
歴史も時間も茶人には無縁
雪風の止んだ空には毅然とした利休梅が花開く
〈2017/12/16より再掲〉
利休梅
〈ウェブ投稿画像〉より
その前に名前がいいですよね。利休梅。
何故か梅を冠する花に魅かれます。
利休梅も利休にたとえられるほど、毅然とした美しさに満ちているということでしょうか。
今は桜が愛でられていますが、武士の時代には梅花のほうが好まれたそうで、利休の精神にも符合している気がします。
体調が戻られたそうで、ほっとしています。
ありがとうございました。