どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム401 『捩花の思い出』

2024-12-27 00:52:00 | ポエム

捩花〈ねじばな〉の好きな女性がいた

あの花は螺旋形に巻きながら小さな花をつける

どうして好きなのか聞いたことはないが

なんとなく似合っているように感じていた

 

その女性の小説集が大寒のさなかに送られてきた

送ってきたのはその女性が「気付」にしていた住所から

小説集とともにその女性が亡くなって

生前に発注していた小説集を代わりに送る挨拶状がついていた

 

ああ捩花そのものだ・・妙に納得できた

哀れとか不幸という感覚ではない

同人雑誌の選評の中で作品を取り上げられた人だ

「気付」の男性も挨拶状にそのことを書いていた

 

生きていくのは定型ではない

捩花のように互いにそっぽを向きながら

らせん状につながっている人生もある

それを「らしい」と思わせるのも一つの生き方だ

 

<参考=捩花の画像>

ネジバナ  〈季節の花300〉より

 

 

 

 

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 紙上大喜利79 『じじいの時... | トップ |   
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yamasa)
2024-12-28 10:40:25
こんにちは。
捩花は、ピンク色で可愛い花ですね。
女性の方は、バラとかチューリップなどを好むような気がするのですが。
小説を書かれているんですね。
らせんの様な花に、人生など感じるところが多いのでしょうね。
返信する
捩花 (tadaox)
2024-12-28 14:33:31
(yamasa)さん、ありがとうございます。
おっしゃる通り、女性の方はバラやチューリップを好む方が多いかもしれません。
この女性はらせんの様な花に、人生など感じるところが多いのでしょうね。
人生は一様じゃないですね。
返信する

コメントを投稿

ポエム」カテゴリの最新記事