どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(217) 『塩害のナス蘇る』

2018-10-24 23:10:27 | エッセイ

 

   

 

 先日のブログ(10月7日)で、もしかしたら塩害ではないのかと疑って葉の枯れたナスの写真を載せたが、翌日にはさっそく各地で塩害が発生しているとのニュースが流れた。

 とくに鎌倉の鶴岡八幡宮の参道や境内を彩る銀杏の葉ががチリチリに枯れて、秋の行楽シーズンに大打撃を受けるのではないかと地元商店街の店主が嘆いていた。

 台風24号で目の前の海から運ばれたしぶきが、モロにかかったのでは避けようがない。

 こちらは山一つが障壁になっているはずだが、今回の風は山のてっぺんを超えて降り注いだらしい。

 ナスに限らず、シソやコスモスの葉も被害を受けたが、2週間が過ぎて朽葉を落としたナスは見事に蘇って花を咲かせ、実をつけてくれた。

 植物の蘇生ぶりを身近に見ていると、多少の困難に出会ってもめげたり投げ出したりしてはいけないのだと、つくづく思うのだ。

 

 ところで人間世界に思いを馳せると、欲の塊がハリケーンとなって世界中に吹き荒れている感じがする。

 今までなんとなく均衡を保ってきた政治・経済のバランスが、あの人のツイッターで次々と崩されていく。

 アメリカ・ファーストとか貿易不均衡の是正とかもっともらしい理由を前面に押し出しているが、一連の流れを見ていると武器を使わない世界戦争が進行しているとしか思えない。

 あの人の発言は一見思いつきのように見えるが、実は周到なストーリーが潜んでいて、背後に筋書きを描くプロンプターがいるのではないかと思われる。

 とすれば、政権を去ったかに見えるあの男か、あるいは別の目立たない人物か。

 いやいや、個人レベルの話ではなく、組織だった緻密な頭脳集団がバックアップしているのではないかとも推察できる。

 それはそうだろう、これだけ次々と仕掛けていけば、一人の力では収拾がつかなくなる。

 だから、壮大な戦略があるに違いない。

 そして、それは世界の地図を塗り替えるほどの革命的な発想だ。

 その根幹にあるのは、覇権という欲だろう。

 たしかに、あの人の国は力を弱めつつあった。

 すると別の大陸で、歴史的にも覇権を欲求し続けてきた国が、ここぞとばかりに台頭してきた。

 それが許せない。

 このまま手をこまねいていると、いつの間にか世界の四隅を占められてしまう。

 あの白い国、砂漠の国、半島の北側の国、海のシルクロードで交易を容認する国々、それら戦略的兄弟がいずれあの国を飲み込もうとしている。

 それは我慢できない。

 碁盤の四隅を取られたら完全に負ける。

 碁の発祥地だからこそ、地政学的な着手は正確だ。

 もう待てない。 

 世界を構築し直すのは今しかない。

 だが、強引なまでの手法はうまくいくのだろうか。

 

 気象は大きく変化しつつある。

 スーパー・コンピューターで予測はできるが、今のところ気象を変えることはできない。

 地道に地球温暖化を食い止める方策に、世界が足並みを揃えなければいけないのに、あの人は遠回りが嫌いらしい。

 それどころか、政治・経済にレベル4のハリケーンを直撃させて、あの黄沙の国を砂に埋もれさせようとしている。

 まさに牛と牛が角突き合わせて死闘を繰り広げつつある。

 戻れるのかなあ。

 途中で気づいて、一時休戦の冷静さを取り戻せるのかなあ。

 学校の番長を決める争いとはスケールが違うのだから、世界中が悲惨な状況になりそうだ。

 気象のみならず、脆弱な地盤を抱える日本は地震の心配もしなければならない。

 

 さてさて、ナスの蘇生ぶりには驚かされました。

 塩害で茶色くなった葉は人為的に切り落とし、水もかけました。

 しかし、そんなことは大した影響があるわけではなく、ナス本来の生命力の強さでしょう。

 人間へこたれるような事態になっても、ナスのように焦らずに立ち直りましょう。

 来年は何を植えようかと、楽しみが倍加しました。

 

 

 

 

 

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