どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

心に残る詩人たち〈6〉

2024-09-07 02:23:00 | この一遍

石垣りん無料画像 に対する画像結果 石垣りん

〈ウェブ無料画像〉より

 

くらし

 

食わずには生きてゆけない。

メシを

野菜を

肉を

空気を

光を

水を

親を

きょうだいを

師を

金もこころも

食わずには生きてこれなかった。

ふくれた腹をかかえ

口をぬぐえば

台所に散らばっている

にんじんのしっぽ

鳥の骨

父のはらわた

四十の日暮れ

私の目にはじめてあふれる獣の涙。

 

まず最初に代表作の一つを読んでいただいた。

平易な言葉だが人間の本質を抉り出している。

くらし・・という日常を描きながら台所には非日常が散らばっている。

これが石垣りんの世界だ。

 

1920年(大正9年〉生まれ2004年〈平成16年)没。

東京市赤阪(現在の東京都港区)生まれ。

銀行員として働きながら、詩を次々と発表。主な詩集として、『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』(1959年)、『表札など』(1968年)、『略歴』(1979年)、『やさしい言葉』(1984年)。

代表作に「表札」。「断層」「歴程」同人。

第19回H氏賞、第12回田村敏子賞、第4回地球賞受賞。教科書に多数の作品が収録されており、また合唱曲の作詞でも知られる。

 

参考=多くの出版社が選集の形で作品を再発行している。

詩集・散文集は次の通り。〈発行所・発行年は一部を除き省略〉

『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』第1詩集。

『表札など』第2詩集。

『現代詩文庫46 石垣りん詩集』

『略歴』第3詩集。

『現代の詩人5 石垣りん』

『やさしい言葉』第4詩集。

『空をかついで』選詩集。

『石垣りん詩集』選詩集。『詩と歩こう6 宇宙の片隅で 石垣りん詩集』選詩集。

『レモンとねずみ』童話屋刊。

『石垣りん詩集』

『ユーモアの鎖国』

『焔に手をかざして』

『夜の太鼓』

『詩の中の風景 くらしの中によみがえる』

 

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