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どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム223 『樒にまつわる毀誉褒貶』

2019-02-02 01:50:00 | ポエム

 

     シキミ

    (城跡ほっつき歩記)より

 

 

 

  黄ばんだ唇を捻じ曲げて

  いじわるそうに空を見る

  道理でおぬしは怪しげだ

  なにか魂胆もありそうで

 

  花弁はまるでカンナくず

  ヘソの形も意固地に見えて

  うわさどおりの偏屈者か

  樒という名も意味ありげでさ

  

  世間の陰口さまざまだけど

  おぬしはそんなにワル者なのか

  悪しき実がシキミの元の名などと

  もっともらしく言われているが

 

  名誉にかかわる名のこじつけと

  否定をしたいが毒持つ家系

  葉っぱを見ても夾竹桃に

  瓜二つだと認めましょう


  共にわが身の防衛手段

  ムシャムシャ食われては子孫にすまぬ

  だから毒性はピカイチと

  自認はすれど自慢はできぬ

 

  抹香くさいの抹香は

  毒持つ拙者の身を粉にしたものと

  知ってシキミの効用を

  理解し認める度量がほしい


  さてさて蘊蓄聞きかじり

  こじつけポエムもそろそろエンド

  元に戻って素直に花を

  見ればやっぱり造化の妙

  


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
口上 (塚越和夫)
2019-02-03 10:38:38
こんにちは

日頃は墓場の片隅に佇むような地味な「樒」にスポットを当てていただきお礼申し上げます。

啖呵を切るような心地の良い五七調のリズムが刻まれ、ふと芝居の舞台の口上が浮かんでまいりました。
連想したイメージが間違っていましたらご容赦願います <(_ _)>


いつも画像をご紹介いただき有難うございます。
返信する
樒が役者ならさしずめ梅さん (tadaox)
2019-02-03 21:27:40
(塚越和夫)様、こうした役者がいないと舞台は引き締まらないでしょうね。

啖呵の一つも切ってみたい、さしずめ前進座の梅さんの真似し小僧というところで・・・・。

ありがとうございました。
返信する
 (iwadonosansou2 いわどの山荘主人)
2019-02-04 10:53:04
樒、どこかで見た記憶はありますが、よく存じておりません。
花辞典で調べてみました、花榊とも呼ばれ古くはサカキ同様神事に用いられたという現在はは仏前やお墓に供えられると・・、枝葉に強い香気ががあり抹香や線香の原料にもなる、ありました。
 このポエム、シキミの主張がよく理解できます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そういえば、降雨ゼロの日が長かったですね。
冬野菜は大丈夫だったでしょうか。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
埼玉は名うての冬晴れ続きでした、1カ月東京は0.5mmとか降ったのに私が住む埼玉は0mmでした、冬野菜のほうれん草などは葉が枯れてしまいあきらめました。
返信する
なるほど花榊ですか (tadaox)
2019-02-04 21:43:33
(iwadonosansou2 いわどの山荘主人)様、よく調べましたね。
花榊という呼び方があるんですか。なるほど納得です。
抹香・線香いずれも仏に縁の深い備品、毒持つ身でも浄化されている印象があります。

話変わって、関東の降雨ゼロ被害、やはり影響があったんですね。
野菜作りの方々には、大変な気候でした。
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