西洋風蝶草
(城跡ほっつき歩記)より
ニューギニアの森で求愛ダンスを踊るフウチョウは
艶やかな尾羽を広げてメスを誘った
どうだい ぼくほど美しいオスはいないだろう?
この世は楽しいところなんだ
束の間の命だけど二人で存分に愛し合おうよ
飾り羽根をもらった雄鳥はやがて気付く
一生雌鳥の目を気にして生きることの虚しさを
極楽鳥ともてはやされていても
生殖の義務を背負わされた生涯は結局籠の鳥
歌舞伎町の売れっ子ホストにも似た憂鬱が漂う
飛躍 飛躍 秘説・・・・
フウチョウの頭の中は森からの脱出でいっぱい
ニューギニアから大西洋を越えた大陸へ
命が尽きても後悔しない願いが大地に着地し
種を超えた清楚なフウチョウソウになった
生殖は快楽と引き換えの苦痛だと
哲学者のようにもったいぶったわけではないが
やたらにメスの気を引く性から解放されて
いまひっそりと蝶のように草むらで憩うのだ
風鳥から風蝶へ 純白の願いは神に聞き届けられた
木の枝に似せたナナフシの知恵も
ランの花そっくりのハナカマキリの肉感も
それぞれの都合があっての擬態だが
フウチョウソウになったぼくの履歴は
ニューギニアの森が隠し続けた千年の秘説なのだ
2007年の9月下旬ころから、埼玉県の滑川町地区の探訪を展開していた折にたまたま撮影したものです。
この時期は、ニコンのD70、28-105ミリを使用しておりました。
また記憶によれば、ツマグロヒョウモンなどの蝶が複数で乱舞しておりました。
さまざまな色の中でも白は一番魅力的で、楽しませていただきました。
ツマグロヒョウモンが絡む情景も想像してみました。
今回も画像を使用させていただき、ありがとうございました。