jirou
柿
(城跡ほっつき歩き)より
柿がなったよ 柿がなった
夕暮れの街灯のように あかあかと灯った
村の古老は目を細め これで今年も医者いらずじゃ
うちらの柿は次郎柿 ほかにも筆柿や富有柿
どんな柿でも お日様の下では平等だべ
陽光をいっぱい吸って 太陽になるんじゃよ
ガキの頃は見境なし 渋柿食って唾ペッペ
糞詰まりになるぞと脅かされ 泣きべそかいたこともある
枯露柿や百目柿になるなんて 誰も教えてくれなかった
美しいなあ 葉っぱに隠れた柿の姉妹
肌はつやつや へそは出べそかな
まるで トップモデルの水着ショー
柿がなった 柿がしこたまなった
ほんとに嬉しいと 古老も顔くしゃくしゃ
鳥たちも 負けずに空で虎視眈々
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この画像の柿は甘柿で、移築復元された古民家の庭先に花木として植えこまれていたものです。
90年代長頃から次第に毎年実を付け始め、隔年の生り年には多い時で200個ほどの実を実らせておりました。
さて、実のところ個人的には果実としての柿よりも、「干し柿のある風景」に心奪われてしまうことがしばしぱあります。
なかでも、あきらかに売り物ではなさそうな民家の軒先などに、いくぶん不揃いに干されているものにひときわ心を惹かれます。
冷たいやや乾いた風が頬をかすめつつも、西日に照らされたその色合いは、経済成長とは無縁の本当の意味での「豊かさ」というものを象徴しているようにも感じられます。
いつも的外れなコメントで申し訳ありません。
今回もご利用、ご紹介をいただき有難うございました。
この柿の木が200個も実をつけると聞いて、一層応援したくなりました。
また「干し柿のある風景」への郷愁は、多くの日本人が心の底に秘めている感情なのだと思います。
塚越さんが描いて見せてくれた冷たく乾いた風、西日に照らされた干し柿の色合いは、本当の豊かさを感じさせるものだと共感いたしました。
私は、柿が大好きで、近所の八百屋に寄ったら必ず柿を買って帰ります。
最近は、干し柿は手間暇かかるのに、この値段で農家の方には申し訳ないなあと思いつつ、安い干し柿を買って帰っています。
私も軽井沢で一箱30個程度入った柿を買い、長いこと楽しみました。
冬を迎えて、街道歩きも大変そうですが、どうぞマイペースでお楽しみください。