道具箱の中にあった罫引の最後の一本だ。 これは新しい物らしい。 鑿罫引で自分でも以前作って紹介した事がある。 棹が私が作った物よりかなり太い。それに胴にかなり固く仕込んでいる。 或いは乾燥でこうなったのかも知れない。真っ白い材を使っている。だから余計新しい物の様に感じさせる。やはりこの道具箱は売れ残り道具を寄せ集めた物だろう。 一つ一つ見ていくとそう感じた。だから千円で買えたのか。 果たして安かったか、高かったか。
これも道具箱に入っていた物だ。同じく筋罫引だ。 これも手作りの様だ。胴の背の丸味が荒く作られている。 棹を胴に固定する楔が失われている。 これは後で作ってやろう。 しかしこんなに罫引ばかり持っていても仕方ないな。何となくこうやって集まった罫引の数も相当になって来た。もっと古くてしっかりした作りの物が欲しいが見付けられない。 刃は棹に仕込まれているが、付根が錆びて抜くのに苦労しそうだ。 刃も抜いて研いでやりたいと思っているが。
これも道具箱に入っていた。 何となく手作りの様な気がする。こんな物は出来た物を買うのでは無く、作るのが普通の事だっただろう。長方形の板の両端を斜めに切り落としただけの胴に二本の棹を通した物だ。 かなり古い物では無いか。材の色を見ると作られてからの時間経過を感じさせる。材は樫の木だろうが、少し磨いて油を塗った。 二本の平行線を引く時に使うと思うが、それがどう言う場面か今一想像し難い。 どんな職人が使った物だろうか。
これも前に書いたのと同じ道具箱に有った。作りからして同じ職人の作った物と思われる。この罫引の胴は赤ラワンの様な赤い色の材を使っている。棹も長い。 棹には寸法の目盛が刻んである。 刃はやはりヤスリの改造で楔留となっている。棹の動きは良くない。 固く仕込まれている。固定楔は要らないくらいだ。しかしまだ新しい様な気がする。 余り使われて無い。何処かの罫引の胴と棹を組み合わせた物かも知れない。
これは昨年末 下小原の骨董市で買った道具箱に入っていた罫引の一つだ。別に珍しい物では無い。良く見るとこれは職人が自分で作った物かも知れない。棹に入る穴を開けた時に引いた線の跡が残る。 棹の先に付く刃は鋸の刃を目立てする時に使う小型ヤスリを加工した物の様だ。 それを楔で棹に固定している。罫引の胴は乾燥して棹を締め付けている。 棹の動きが悪い。しかしこの位固くても良いかも知れない。 緩まないからかえって好都合か。 この箱の中身が総て一人の職人の道具だとすると罫引をかなり使う仕事をした職人だ。
新しい年がやって来た。 今日は明けて1月2日だ。家で飲んで食べてばかりでは良くない。散歩も兼ねて七福神巡りを行った。 場所は深川で 東西線門前仲町駅からスタートした。良く知られた深川不動に通ずる通りは人で身動き出来ない程だ。屋台もでて普段は見ることの出来ない賑やかさだ。 沿道には美味しい食べ物屋もあり、食事も出来る。 総てをひと回りしても2時間程度かな。 なかなか良い運動だ。我家からは少し遠いが、まあ天気も良いし少し風が冷たいのを我慢すれば、気分も良い。 下町の情緒を堪能した。 春には河筋に桜も咲くしまた行って見たい気分になった。 今年は良い年になると良いがどうだろうか。