西海岸を周り、車は帰途につく。前後に車の影もない直線で(もちろん生物も考えられない)、法定速度を守れというのは難しい。青年は少々飛ばしたら、遠くにパトカーが止まっていた。それをいち早く発見した彼はすぐにスピードを落としたが、遅かった。止まれという合図である。警官は注意をする。「128kmだぞ!アイスランドではどこでも制限速度が90kmなんだ」とのヲ言葉。フランス青年は「そうそう、90kmですよねえ」と実にわざとらしい返事(ちなみに英語を頑張って話している)。
「きみは・実に・1・2・8・kmだ!」と一語一語はっきりと警官が発音。どうなるか、と思いきや、注意だけで許してくれたのであった。青年のわざとらしく、しかも一生懸命勘弁してもらおうとする態度が世界共通、どこでも同じだなあ、と思うのであった。
すばらしい景色を堪能できた車の旅は終わり、レイキャヴィークに帰ったのは夜7時、実に残念なことに、その日は温泉に入れないのであった。しかたなし。
その夜はこれまた地元で有名なレストランに行き、アイスランド名物の羊のステーキを食べる。特有の臭みはなく、柔らかく旨かった。量もなんとか残さず食べられたが、やはり1時間ほどは満腹で動けなかった。連日同じことをやっているw
この日の夜もオーロラの気配はなし。ときおり雲が切れて月や星は見えるのだが… いよいよこの滞在では見られないのかと諦め気分になってきた。
いつものように、深夜0時を回る頃、オーロラを求めて外に出る。すると宿の前を、中年の女性がウロウロ。鍵は閉まっているし、ドアをノックするには遅すぎる時間なので、途方に暮れている様子であり、俺が出たのを幸いと話しかけてきた。パーティーで出会った人がこの宿に宿泊しており、手紙を渡したいのだという。それを受け取り、その人の部屋のドアに差し込んできてあげた。ひと通り感謝され、立ち話が始まった。
オーロラを見に来たが、ついに見られそうにないと教える。親切にも彼女は、何かしてやれないかとオロオロし始めた。「ああ、どうしたらいいの?私にできることは…」と泣き出さんばかりになる。
「ありがとう。気持ちは嬉しいですが、しかたありませんよ。いつかまた来るでしょうから、そのときを楽しみにしています。」そこで彼女は感極まり、いきなり俺をヒシ!と抱きしめる。あまりにも激しいので、こちらも礼儀上(?)腕を回す。深夜に道端で抱き合うって…(゜゜)コウスイガツヨクッテノォ
どこまで行っても似たような景色に見えるかもしれませんが、ここは半島のはずれです^^;
真冬の北極圏だというのに、海はとても静かです。
ここはいよいよ半島の先端をぐるりと回ったところです。道路が岬の突端までないのが残念。ちなみに歩いて行けるような穏やかな気候じゃないんですぞ(゜゜)
このふたつの岩、長い間ずっとポツンと立っているのでしょうね。たまーにこんなふうに生き物の気配を感じたりするのでしょうか。