さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

修羅場のフライト ~イタリア紀行4

2010年07月03日 | イタリア
  まだ外は真っ暗な早朝にノックの音で起こされ、我々は空港へ戻るバスに乗せられた。時間の指定はなかったのである。そんなものが守られるわけもないだろうから、言われないほうがよかったのだ。
 空港に到着し、ローマ行きの切符が手渡され、いよいよゲートへ向った。切符には座席の指定がない。30分も前から、飛行機へ乗り込むドアに乗客が殺到してぎっしり固まっている。イタリア行きなので、自然にイタリア人が圧倒的に多い。イタリア人は整列して並ぶ習慣があまりない。それにしても乗客たちは緊張した様子で、ドアが開かれると、われ先にとなだれ込んで行くではないか。
 ドタバタと人々は席についた。我々も空いている席を見つけて座った。すべての席が埋まっても、まだ数人の乗客が通路をウロウロしている。乗務員が出ろ、と言った。その乗客らは文句を言ったが、にべもなくはねつけられ、渋々と出て行った。次の便ということなのだろう。いわゆる「オーバー・ブッキング」だろうが、チェック・インを済ませてゲート・インを許し、飛行機に乗せることもなかろうに!人数ぐらい数えろっての。次の便が翌日、もしくはそのあとならば、ずっとあの薄暗い空港で過ごすことになるのだろうか?!
 飛行機は無事に(?)我々を乗せて飛び立った。まもなくイタリア人はみな立ち上がり、あちこちで話し出す。座っている人が少数だ。声も大きく、まるで立食パーティーかダンス・ホールではないか。免税品のワゴンがやってくると、おばさま達が買うわけでもないのに群がり、ひと騒ぎとなっている。日本人が多かった成田→モスクワ便とは別世界であった。
 飛行機は途中ハンガリーのブダペストに降りた。そんな掲示はなかったような気がするが…。とにかく全員が降ろされた。ソフト・ドリンクの引換券を渡され、寂れた空港内のバーで一息つく。例の1ドル紙幣でチョコレートをひとつ買う。そしてまた乗客らはわれ先にと機内に乗り込む。みな必死だ(゜゜)
 我々もさっさと自分らが座っていた席につき、シートベルトを締める。案の定、3人あまりが座れなくなる。乗務員に文句を言う。イタリア語らしかったが、「ここは俺が座っていたところなんだぞ」と言っているのはわかった。そこには別人が座りシートベルトを締めているではないか。乗務員は立っているほうに出て行けと指示した。さすがにその乗客は声を荒げて抵抗したが、結局あきらめ、上の荷棚から自分の荷物を降ろし出て行った。プダペストでどんな時間を過ごすのでしょうか…。

とにかく先にシートベルトを締めたほうが勝ち。まさに修羅場だ。