さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

高遠藩の眼科医 旧馬島家

2019年01月01日 | 関東甲信越



高遠なつかし館の裏には、代々高遠藩の眼科医を務めた旧馬島家の住宅が移築されて
います。とても立派な本棟造りの武家住宅。なつかし館に入ったとき、係員の方に
「こちらの旧馬島家と、バス停の裏にある旧池上家の住宅も見られますよ」と言われ
ました。3施設コンバインドのお得なチケット。そしてなつかし館を見ていると、
「馬島家も開けましたから、どうぞご覧ください」と言ってもらいました。2つの
建物をひとりで管理されているワンオペ。

中に入ると、「三丁目の夕日」のロケに使われたと表示されていました。



映画を見直してみると、主人公の茶川さんの実家として使われていました。
(ちなみに「あくたがわ」ではなく、「ちゃがわ」と読みます)



藩医は偉いから、格式高い武家屋敷に住んでいたのですねー。



素晴らしい造り。



冬は寒いだろうけれど、静かで落ち着いた生活だったのでしょう。



大学まで出て、小説家になると言ったら父親に勘当されてしまった茶川さん。
そりゃあ高度成長期に大学に入れたらエリートの卵。田舎で期待を背負って、
それで「小説家」なんつったら親は怒るかもしれません。

当時は戦後の復興期からテレビや洗濯機が手に入る時代になり、頑張れば
それなりに金持ちというか、近代化の恩恵を受ける「出世」ができるチャンスが
ありましたから、そんなときにそういうルートからはずれるのは親からすれば
「残念」だったのでしょう。でも「物書き」で生計を立てられる幸せな時代で
あったとも言えるのですよ。

眼科医のなごりも残っています。



ガラスも微妙に歪んでいて、それもまた味があっていい。



一番奥は生活エリア。女性はとても忙しい生活だったことでしょう。なつかし館の展示品
より、こちらの建物のほうがずっと見ごたえがありました。