この種のやや“上質な”地域情報本は大阪はもちろんですが、少し広く関西や或いは逆に狭くして北摂などと多くの企画が出るようになりました。古くから歴史のある総合週刊雑誌などが売り上げを落とし経営が厳しくなっているという中で、25歳までの女性や中高年の旅行好きといったように、ターケットを絞った情報誌が乱立といえる程になっています。一周年も経たずに消えていくものも少なくないと思います。当たらなければ大きな損失が出ない内に撤退して、次の企画を追いかけるような割り切ったスタンスが出版社にあるのではないかと想われます。
さてこの本ですが創刊号とあって「食」を中心としながらも、作家の中島らもなど文化人にスポットを当てたり、歴史のある逸品や街並みの紹介、また喜多俊之などクリエイターに見る大阪のモノづくりスピリッツ、というように多様なテーマを扱っています。ある意味では総花的に感じる編集になっていますが、創刊号ということでは仕方ない部分もあるでしょう。ただ興味が持てるのは、それぞれのテーマに対して「大阪」という切り口が横糸として編み込まれているということで、その辺りが企画の主旨として今後うまく展開できていけるかどうか、少し長い目で読ませて貰おうと思っています。
![]() | 上質の大阪No,1 (エイムック 1562) エイ出版社 このアイテムの詳細を見る |