
今年は
蝉の羽化する様子を初めて身近に見たり、朝方の強烈な
蝉時雨を聴いたりと、例年にもまして楽しませて貰ったように思います。それだけに最近の千里山でも歩道脇に命尽きた蝉たちの亡骸が、点々と落ちている光景には一入の感慨を憶えます。中にはわずかに手足の震えている瞬間の蝉も見ます。7年間を土の中で幼虫として過ごし、羽化してから繁殖期は1週間といいますが、そのような蝉の一生が何か人の営みと重ね合わさり、それぞれに感慨を想わせるものとなるのでしょうか。住民は朝の忙しい通勤時間にも、蝉の亡骸を踏みつけないように気を付けて歩きます。千里山団地の掃除のおばさんが時々集めて回っています。
それでも今日の千里山ではまだまだ蒸し暑い天気が続き、蝉の最後の鳴き声も窓越しに僕の仕事部屋にも大きく響いてきています。立秋はとうに過ぎていても去年の残暑の厳しさを想い出すと、そんなに簡単に秋の気配が感じられるようにはならないと思いますが、今夜の天気図を見ると台湾辺りに台風が上陸していますので、そろそろ進路が孤を描いてこちらに向かってくる時期も近付いているようです。台風が一つでも日本列島をかすめて進めば、一過たちまち暑かった夏も終わり爽やかさがもたらされるはずです。
それまでしばらくは夏の名残りの、蝉の懸命な鳴き声を楽しむことにしましょう。