カウンター内で寿司を握っていた「しんちゃん」が「花梨(かりん)だよ。岡田食堂の横にある植木から道に落ちてたのを拾った。」と教えてくれました。盆栽に小さな果実が生っているものは見たことがあり、また木目の詰まった堅い良材としての花梨は知っていましたが、こんなに大きな果実が生るものだとは初耳です。
「食べられるんですか?」
「堅くって無理! カラスも食べないくらいよ。」
「こんなに良い香りなのに‥‥」と、僕はしばらくその香りを嗅ぎ続けていました。
帰りに回り道して岡田食堂の横にある木を見上げると、高いところに幾つかまだ残っていましたが、下に落ちているのは見当たりませんでした。今度「魚伊」に行った時に是非一つ貰う積もりです(それ程に良い香りでした)。