額の中には「雲の散在する青空、そして格子状に例の鈴が見え隠れしている」
それを囲む暗黒、岩石がごろごろ額の周辺を占拠している。
中央に大きく描かれた額縁、象徴である。周囲の暗黒に比して光に満ちている。しかし、見え隠れする鈴は、言葉(噂・口実・伝説)を暗示し、光りあるうちに歩むことを阻止する障害にも見える。
周囲の暗黒に、草木はなく岩石のみという光景は、いわば荒地に等しい。この暗い(黒い)岩石は光りある光景(額縁)を押さえつけている。
『大潮』とは、新月や満月の後に起きる現象である。
あなたがたの新月と定めの祭りとは、わが魂の憎むもの、それはわたしの重荷となり、わたしは、それを負うのに疲れた(イザヤ書)
この関係性を称して『大潮』と題する意図は何か。
夜あるけば、つまずく。その人のうちに、光がないからである。新月の闇夜そして大潮。
『大潮』という作品は、闇と光が拮抗している。
悪を行っている者はみな光を憎む。(略)しかし、真理を行っている者は光に来る。その人のおこないの、神にあってなされたということが、明らかにされるためである。(ヨハネによる福音書)
義と不義となんの係わりがあるか。光とやみとなんの交わりがあるか。(コリント人への第二の手紙)
闇に散在する岩石は光の時空を、あたかも攻撃している。光の時空を持つ額縁の中は、言葉の網で雲が多い。
光に曇りが生じ、闇に暗躍する岩石。この対立を(新月の後の)『大潮』と称し、是非ではなく、あるがままの状況を提示している。
(写真は国立新美術館『マグリット展』図録より)
それを囲む暗黒、岩石がごろごろ額の周辺を占拠している。
中央に大きく描かれた額縁、象徴である。周囲の暗黒に比して光に満ちている。しかし、見え隠れする鈴は、言葉(噂・口実・伝説)を暗示し、光りあるうちに歩むことを阻止する障害にも見える。
周囲の暗黒に、草木はなく岩石のみという光景は、いわば荒地に等しい。この暗い(黒い)岩石は光りある光景(額縁)を押さえつけている。
『大潮』とは、新月や満月の後に起きる現象である。
あなたがたの新月と定めの祭りとは、わが魂の憎むもの、それはわたしの重荷となり、わたしは、それを負うのに疲れた(イザヤ書)
この関係性を称して『大潮』と題する意図は何か。
夜あるけば、つまずく。その人のうちに、光がないからである。新月の闇夜そして大潮。
『大潮』という作品は、闇と光が拮抗している。
悪を行っている者はみな光を憎む。(略)しかし、真理を行っている者は光に来る。その人のおこないの、神にあってなされたということが、明らかにされるためである。(ヨハネによる福音書)
義と不義となんの係わりがあるか。光とやみとなんの交わりがあるか。(コリント人への第二の手紙)
闇に散在する岩石は光の時空を、あたかも攻撃している。光の時空を持つ額縁の中は、言葉の網で雲が多い。
光に曇りが生じ、闇に暗躍する岩石。この対立を(新月の後の)『大潮』と称し、是非ではなく、あるがままの状況を提示している。
(写真は国立新美術館『マグリット展』図録より)