続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『真理の探究』『同族意識』

2015-06-22 06:39:01 | 美術ノート
 アハハハ・・・。
 そうだよね、同族意識。分かるよ、仲間外れにされた気持ち、ちょっと辛いかも。

 魚が直立している。硬質の金属に変換された『真理の探究』の魚もいる《魚の悲しみ》。横になっていると(ごく自然な姿だけど)死んだと思われるから意思を表明するには立つしかなかったのかもしれない。
『真理の探究』の魚は室内に、『同族意識』の魚は砂浜よりずっとこちら側、すくなくとも陸地に存在している。(海はずっと向こうにあるのだから)ずっと向こうに海を配している、陸に上がった魚である。

 硬質の金属に変換された『真理の探究』の魚。
 大きな球(真理の象徴)と傍らの二人(男女と思われる)を遠く見て空を仰ぐ魚。


 聖書/創世記を読むと、
 神はまた言われた、「われわれのかたちに、われわれにかたどって人を造り、これに海の魚と、空の鳥と、家畜と、地のすべての獣と、すべての這うものとを治めさせよう」(略)「生めよ、ふえよ、地に満ちよ、地を従わせよ。また海の魚と、空の鳥と、地に動くすべての生き物とを治めよ」とある。

 確かに《海の魚》を造ったはずなのに

 主はノアに言われた「あなたと家族とはみな箱舟に入りなさい。あなたがこの時代の人々の中で、わたしの前に正しい人であるとわたしは認めたからである。あなたはすべての清い獣の中から雄と雌とを七つずつ取り、清くない獣の中から雄と雌とを二つずつ取り、また空の鳥の中から雄と雌とを七つずつ取って、その種類が全地のおもてに生き残るようにしなさい。(略)地に這うすべてのものとの、雄と雌・・・ただノアと、彼と共に箱舟にいたものだけが残った。(創世記より)


 あらっ、魚は海中にいるからいいわけで、忘れたの?すべての生き物の中に入らないなんて!(海の中にいたばっかりに・・・ならばと陸に上がった魚)
 マグリットは書いてないものを見る。
 魚を陸に上げ、直立させている。生きている、遠いあの時代にも生きていたのだと主張する。ブラックユーモアである・・・完全と思われる神さまに落ち度があるはずがない。

 魚は今でも真理を探究し、神さまへ不平を申し立てているかもしれない。

(写真は国立新美術館『マグリット展』図録より)

『城』1999。

2015-06-22 06:00:54 | カフカ覚書
ちょうどそのとき、フリーダが窓をあけた。これは、Kと相談しておいたことだが、煖房をするまえに部屋の換気をするためであった。


☆ちょうどそのとき、フリーダ(平和)が食(暗闇)を開けた。これはKと話していたことだが、先祖の心(秘密)を明かすためだった。