続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『恋人たちの散歩道』

2016-08-11 06:49:52 | 美術ノート

 『恋人たちの散歩道』

 《恋人…未来を夢見る、新しい人生に期待を弾ませる若いカップルに開かれた道》そんな景色が『恋人たちの散歩道』ではないか。
 なのになぜ、こんなに暗く陰湿な光のない景色をそう呼ぶのだろう。白い雲の散在する青空は、まるで象徴のように額に入れられ漆黒の闇に掲げられている。

 道はどこに? この絵の正面は横に広がる大きな集合住宅であり、その脇にも住宅が密集している。生い茂る樹々の背後は見えず、恋人たちに用意されたはずの遊歩道も見えない。

 光(希望)の見えない道である。暗い天空は圧するかのように高く、足元の地上は描かれていない。散歩道という命名であるにもかかわらず道は隠蔽されている。平坦なのか険しいのかなども不明である。

 昼間あるけば、人はつまづくことはない。この世の光を見ているからである。しかし、夜あるけば、つまづく。その人にうちに、光がないからである。(ヨハネによる福音書より)

 まさに夜の景色であるこの『恋人たちの散歩道』、しかし天空にはそれぞれでありながら共通した青空が掲げられている。
 つまづくことなく、青空の平穏と自由を目指しているであろう恋人たちよ、突進せよ、道なき道を!

 道を切り拓くのは、恋人たちの若い力と感性である。用意され造られた道ではなく恋人たち(未来を行く者たち)が新しい未来の道を築くことを期待している。
『恋人たちの散歩道』は、因習を超え、新しい道を自ら作るための夢を示唆しているのではないか。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)


『銀河鉄道の夜』398。

2016-08-11 06:34:27 | 宮沢賢治

 その柱のようになった水は見えなくなり大きな鮭や鱒がきらっきらっと白く腹を光らせて空中に抛r出されて円い輪を描いてまた水に落ちました。


☆注(書き記すこと)を遂(やりとげる)。
 啓(教え導くこと)を増すと吐く。
 複(二つ)の講(はなし)の句(ことば)の註(意味を解き明かし)、法(神仏の教え)を推しはかる。
 掩(隠した)和(争いを納める)平(平等)を推しはかる絡(すじみち)がある。


『城』2403。

2016-08-11 06:21:14 | カフカ覚書

具体的に言うと、あんたは、アマーリアを愛しているので、すべての女たちよりも滝ところに化の世をまつりあげたい。ところが、アマーリア自身のなかにそうしてやrに十分なほどの美点が見つからないものだから、やむなく、ほかの女たちをけなすという手を使わざるをえないのです。


☆アマーリアへの愛により、すべての自由の主張よりも高いところを望んだのですが、アマーリア自身この意図に十分な称賛を見いだせなかったので、死ぬ自由を減少させようとしたのです。