続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)93

2020-07-05 07:42:03 | 飯島晴子

   竹馬に乗つて行かうかこの先は

 竹馬に乗って行く。バランスを崩せば、即、倒れてしまう。この決意、この緊張感。呑気に遊んでいるように見える景、でも心の中は戦闘状態、余裕がないのである。

 竹馬はチク・バと読んで、畜、場。
 乗つてはジョウと読んで、浄。
 行かうかはコウと読んで、溝。
 先はセンと読んで、洗。
☆畜(人が飼育する動物)の場(飼育場)は、浄(きれいにして)溝も洗う。

 竹馬はチク・バと読んで、蓄、婆。
 乗つてはジョウと読んで、常。
 行かうかはコウと読んで、考。
 先はセンと読んで、銭。
☆蓄(たくわえる)婆(老女)は、常に考えている銭のこと。


『飯島晴子』(私的解釈)92

2020-07-05 07:20:20 | 飯島晴子

   諾ふは寒の土葬の穴一つ

「ここでいいかね?」「ここでいいでしょう」弔いである。冷え冷えと厳しく緊張を要する会話のさきには死者を葬るための穴があった。

 諾ふはダクと読んで、濁。
 寒はカンと読んで、姦。
 土葬はト・ソウと読んで、図、総。
 穴はケツと読んで、欠。
 一つはイチと読んで、佚。
☆濁(汚れ穢れている)姦(不義)の図りごと、総て決(覚悟して)佚(逃れる・捨てる)。

 諾ふはダクと読んで、諾。
 寒はカンと読んで、簡。
 土葬はト・ソウと読んで、渡、操。
 穴はケツと読んで、欠。
 一つはイチと読んで、位置。
☆諾(承知する)簡(手紙)を渡す。
 操(節操)に欠ける位置(立場)であった。
 
 


『飯島晴子』(私的解釈)91

2020-07-05 07:05:14 | 飯島晴子

   昼顔のあれは途方に暮るる色

 昼顔の薄ボンヤリした色、目立たずひっそりと景色の中に同化している。まるで出ようか出まいか、このままでいいか身の処し方に戸惑い途方に暮れているかのようである。

 昼顔はチュウゲンと読んで、忠言。
 途方はト・ホウと読んで、吐、封。
 暮るるはボと読んで、簿。
 色はシキと読んで、私記。
☆忠言(忠告)を吐く、封(閉じた)簿(ノート)の私記。

 昼顔はチュウ・ゲンと読んで、衷、現。
 途方はト・ホウと読んで、妬、抱。
 暮るるはボと読んで、簿。
 色はショクと読んで、嘱。
☆衷(心の中)が現れる、妬みを抱いた(気持ちは)簿(ノート)に嘱(委ねる)。


『飯島晴子』(私的解釈)90

2020-07-05 06:46:46 | 飯島晴子

   烏柄杓千本束にして老いむ

 烏柄杓を千本束にするのは難しい、すぐに萎えてしまうから。第一、集めるのもチョット・・・。そんなどうしようもないことをして、わたくしは老いてしまった。

 烏柄杓はウ・ヘイ・シャクと読んで、有、蔽、釈。
 千本はセン・ホンと読んで、詮、翻。
 束にしてはソクと読んで、即。
 老いむはロウと読んで、漏。
☆有(存在)を蔽(隠す)釈(言い訳)を、詮(調べてみると)翻(ひっくり返り)即、漏れる。

 烏柄杓はオ・ヘイ・シャクと読んで、悪、病、癪。
 千本はセン・ホンと読んで、潜、奔。
 束にしてはソクと読んで、即。
 老いむはロウと読んで、労。
☆悪い病、癪にさわる。潜(身を隠して)奔(逃げる)、でも即、労(疲れてしまう)。
 


『飯島晴子』(私的解釈)89

2020-07-05 06:33:05 | 飯島晴子

   穴惑刃の如く若かりき

 まだまだそんな年ではないけれど、若く鋭い感性にドキッとさせられた。わたくしに向けられた刃、明らかに真相を暴こうとするかの迫真がある。

 穴惑はケツ・ワクと読んで、決、惑。
 刃はジンと読んで、腎。
 如くはジョと読んで、叙。
 若かりきはニヤクと読んで、二訳。
☆決めるのに惑(迷う)、腎(かなめ)を叙べる二訳。

 穴惑はケツ・ワクと読んで、訣、或。
 刃はジンと読んで、人。
 如くはジヨと読んで、自余。
 若かりきはジャクと読んで、寂。
☆訣(別れた)或(ある)人、自余(ことのほか)寂しい。